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母娘(ははこ)御膳 第21話「聖杯」

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「豊(ゆたか)・・」妙(たえ)は笑って、静かに言った。「好い事を訊いてくれたわ。聖水は、確かにその通りよ。で、今から二人も一緒に、ちょっと儀式をしようと思うの」 「儀式・・ですね。はい」周(あまね)と豊は、こう返して頷いた。

「妙先生。て事は、あのガラス器を用意しないといけませんね」周が訊くと 「気付いてくれて、有難う。その通りよ」妙、こう返す。「かしこまりました。今、用意して来ます」 「お願いね。豊は、グラスを二つ用意して欲しいの。場所は今、教えるわ」 「はい、お請けします」こうして、周は以前に置き場所を聞いた、小用の為のガラス器を取りに行き、豊は、妙の指図でグラス二つを用意する。それが何を意味するか?二人には、何となく分った。

「お待たせしました」周が持って現れたのは、所謂屎瓶(しびん)である。性別に、概ね二通りがある様だが、これは上口が大き目の、女性向け。勿論水洗いをしてある。同じ頃、豊も8オンスのタンブラー二つを洗って準備。「そこに置いて」妙の指図により、周は、居間のソファの向かい辺りに、ガラス器をセットした。

「二人・・」ワンピの裾を捲り上げ、ガラス器の上に跨って、腰を落としながら、妙が笑って言う。「あたしが『する』とこを見たいんでしょう。嫌らしいわね!」対する周「ご免なさい!仰る通り!まあ希望ですね」苦笑して返す。豊も「どうも済みません!右に同じです!」と応じ。妙「良いのよ。ちゃんと分ってるわ。まあ、君たちの一つの夢かしらね」その言葉、真実を突いていた。

妙「さあ、それじゃ、ちょっと恥ずかしいのを見せてあげようかしら」 「はい、宜しくお願いします!」周と豊は、上体をかがめて妙の股間に注目。彼女はそれを受け、小水を発す。明るい麦藁(わら)色の液体が、少しずつ、ガラス器の下辺を満たして行く。1/4足らずの所で、放水が終わった。

「有難うございます!」二人の若者、ほぼ同時に、妙に事後の下肢や股間へのマッサージを施し、大声で一礼。周、そして豊の順で、用をなし終えた、妙の膣口を拭き清め。その時彼女は、手指で外陰を押し開いて、拭き易くする様仕向けてやった。そして・・

妙「さあ、じゃ、これをグラスに移して頂戴」 「かしこまりました!」豊が応じ、小水の収まるガラス器を慎重に傾け、二つのタンブラーに、各々七分目位を注ぎ分け。一瞬、かすかな刺激臭が立ち上るも、気になるレベルではない。

「二人・・」 「はい・・」 「ここまで見れば、もう分るでしょ。これから、周と豊の兄弟杯の儀式よ。あたしの聖水でね」妙にこう言われ、周と豊は一瞬「?」と言う表情を示すも、直ぐに納得した風情だった。「分りました。お受けします!」 「右に同じです!」

「妙先生・・」周が言った。「はい、何?」妙が返すと「俺と豊が背中合わせで、一気に決めようと思います。一瞬で済みませんが、それでご理解下さればと思います」 「良いわ。それで進めて頂戴」 「かしこまりました!」二人はこう言い、裸の股間をチラ見せし続ける妙の眼前で、聖水のタンブラーを手に、背中合わせで立った。

「いいか?豊」周が言う。「はい、阿久比さん」豊、返す。「少しおいて、俺が右手でお前の腰をポンと打つ。それが合図だ。一気飲みで決めるぞ!」 「分りました。あれこれ考えずに、一気に行かんと・・ですね」 「そうだ」豊は頷き、周と背中合わせの姿勢に戻る。「行くぜ!」周は一声を上げ、空いた右手で、豊の左腰を打つ。これを合図に、二人ほぼ同タイミングで、妙の聖水を一気に飲み干した。

「は~い、よくできました。二人、男よね~!」妙、笑顔と大きな拍手で応じた。「いやー、お恥ずかしい。お見苦しいとこを、有難うございます!」どちらからともなく、こう返事をす。周は、直ぐに豊を促し、彼はタンブラー二つ、己はガラス器の後始末に向かう。本当の目的は嗽(うがい)。それは、豊も理解していた。妙には、顔と視線で伝え、了解を得る。

嗽とガラス器とかの洗い処理を終えて戻ると、妙から「二人、おめでとう。記念すべき夜になったわね」と祝福を受け。「有難うございます!我々こそ、とんでもなく大きなお年玉を頂きまして」周と豊は、声を合せて返した。「さあ、シャワー浴びて、良い夢見ましょう。勿論、三人一緒よ」 「はい、お願いします!」就寝前のシャワーでも、若者二人は、女社長にいかがわしいマッサージを一通り。「さあさあ、この続きは初夢でね。お休み」 「はい、今夜は有難うございました。お疲れ様でした!」それぞれ夜着を纏い、日付が変わっての就寝まで、三人の熱いやり取りが続いた。

翌三日も、朝から晴天。「二人、お早う!」 「お早うございます!」8am前には起床の三人。妙が朝食準備の間に、周と豊は、手分けして清掃奉仕。周が部屋掃除と寝具干しに当たる間に、豊の方は、希望者の少ない浴室などの水回りの手入れを。半時余りで片が付き、洋朝食の席へ。

「皆、好い初夢が見られた様ね。あたしはこの後、お昼からお客様があるし、娘たちも帰るから、一緒にいられるのは後少し。残念だわ」 「ああ、それ、俺たちも同じです。健(たける)に徹の中坊共と、昼飯から会って、午後は熱田神宮に初詣ですよ」 「うんうん、良い事だわ。二人共、真剣にお参りしてらっしゃい。特に周君は、勝負の年だからね」 「はい、そうですね。気合を入れて来ます。そりゃ、豊も同じだよな」 「はい、その通り!真面目に行きますよ」二人は、そう返した。

「有難うございました!」食事が済んで、落ち着いた11am頃だったろうか、妙と共に衣裳を直した周と豊は、彼女の許を辞す。「それにしても・・」帰途、周は、こっそりと笑って語りかけた。「とんでもない、兄弟杯になったな!」 豊も「・・ですねぇ。それに、凄いお年玉だったです。何しろ、性交(セックス)ですから!」と応じ。 「ああ、ホント、凄過ぎだわ!」二人は笑顔を交わし、大きな感銘を胸に、一旦それぞれの居所へ戻り、セーターやパーカー、ジーンズにスニーカーなどの平装に替えて、健の親許の馴染み処に集まったのが、正午過ぎ。「新年おめでとうございます!」 「明けおめ!」 「お年賀!」元気な二人の中等科生を見て、安心したのも事実だった。健、徹も、周、豊と同様の平装だ。

四人が集まった店も、初詣や年始の客で混み合っていたが、健が席を予約しており、お蔭でそう待たされずに済んだ。昼食の間中、冬休み中の事共や、お年玉の額などの話題で、結構会話が弾んだ。一時間ちょっと後、N市営地下鉄で、熱田神宮へ。予想はしていたが、乗換不要の城下環状線は、同じく初詣や年始の客で、相当な混雑。少年たち四人は、結局立席を余儀なくされた。

十数分で、熱田神宮の最寄駅「神宮下」へ。ここからも、相当な人出。神宮境内は、通路の規制か行われる程の盛況。どうにか本殿の参拝を済ませ、神宮から遠くない、周の知っていた喫茶店で談笑の後、解散して各々の居所へ戻ったのは、もう夕方に近かった。

前後して、正月研修に出ていた、妙の長女 結(ゆい)と、次女 宙(そら)が帰宅。スーツ姿のまま、ほぼ同タイミングで訪れた、妙の来客複数を交え昼食の後、部屋へ戻る途中の宙が、少しの異変に気付く。それは、浴室の傍で水洗いの後、目につく位置に伏せられた、妙が若者たちの眼前での小用に使った、あのガラス器だった。

彼女は言った。「姉さん、これ一体、どう言う意味かしらね?」訊かれた結は「母さんたら、あたしたちの留守中に、例の病気が出たのかしら?困ったもんだわ」と返し。姉妹の脳裏には、留守中の母の行状が、何となく描かれている様に思われ・・
(つづく 本稿はフィクションであります)

今回の人物壁紙 葵つかさ
久石 譲さんの今回楽曲「いつも 何度でも(Always with Me)」下記タイトルです。
Always with Me
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