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母娘(ははこ)御膳 第39話「推察」

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「男の勘・・ですか?」ぼそりと、周(あまね)が返す。聞いた結(ゆい)「そうよ。君は、直ぐには気が付かない性格かもだけど、まあいいわ。帰ってからでも、少し考えてみるといいかもね」こう応じ。周「はい、有難うございます。そうですね、世の中には、自分がすぐには気がつかない事も、幾つかありますし」 「そうそう。一定はそれでいいんだけど・・でも、できれば少なくする努力をした方が、幸せに近づける機会(チャンス)は多くなるかもよ」結はこう言い、再び微笑んだ。

「ご馳走様でした!」結の奢りで店を出て、夕方に差し掛かり、混雑の始まったN市営地下鉄6号線。一本を見送って、どうにか着座。中心街 栄町北方でN市内の下を周回する2号線に乗換え、そこから10分足らずで、結の下車駅へ。もう暗い故、例によって、花井邸の玄関まで見送り、解散。「周、いつも悪いわね」結が言うと「いえいえ、気になりませんからいいですよ」周、笑って返し。

その時「余り気を遣わない様に。あたしたちは、もう師弟じゃないのよ」 「・・ですね。分ります」こう返した瞬間、周の心の琴線に、響く言葉があった。「師弟でない・・て事は、もしかして『男と女?』・・そうか!」そして「結さん・・」声をかける。「はい、何?」返す彼女に「男の勘と言う事、少し分った気がします。でも・・」 「でも・・何かしら?」 「今は、それ以上言わない方が良い気がします」 「うんうん、それがいいわ。じゃ、この土曜は宜しくね!」 「はい、今日は有難うございました!」一礼し、周は結の下を辞した。

夕食の買い物をして居所へ戻り、入浴と食事が済むと、周はLINEで、後輩の豊(ゆたか)と連絡を試みる。少しおいて、返信を得る。「豊、今晩は。この前は大いに世話になった。今、時間いいか?」 「ああ、阿久比(あぐい)さん、お晩です。ご連絡感謝。余りお構いできなかったかも。いいですよ、どうぞ」 「実はな・・」 「はい・・」

周は続ける。「この土曜の夕方、花井社長・・つまり妙(たえ)先生な・・のお宅に呼ばれてて、どうも小町、結の両先生もご一緒らしいんだ。もしかすると、宙(そら)ちゃんもな。お前、この件、何か知ってる?」豊「阿久比さん。よく訊いて下さいました。知ってるどころか、俺も同タイミングで呼ばれているんです」 「ハハ、お前もか。まあ、賑やかになりそうで良いな。所で、あの顔ぶれだと、例の事態がありそうだと思うが、お前の感じはどう?」 「・・ですね。実は、俺も同じ事を考えていたんです。妙・小町の両先生と来れば、あの方の可能性は十分考えられますね」

「そうか、やっぱり・・」こう言って、周は一度深呼吸をし、更に続ける。「ただ、今度は結先生や宙ちゃんも一緒かもだ。もっと大きな事になりそうな予感もあるな」 「ああ、そんなですか。阿久比さんのお話通りなら、それも有りかもですね。考えといた方がいいかな?」 「まあ、それはその時になってみにゃ分らん。それに、妙先生んちは、客間が他にもありそうだから、まずそっちの心配はなしだろうけど」 

豊「阿久比さん、言葉は悪いかもですが、つまり『ヤリ部屋』って事ですか?」 周「まあそう言う事だ。長くなってもいかん。この辺にしとくが、土曜の約束時間は分るな」 「ええ、5pmまでに伺うって事で聞いてます」 「OK。じゃ、当日はそう言う事で、宜しく」 「はい、こちらこそ宜しくお願いします」交信ここまで。

3/25の土曜は、曇りの一日。夜からは、降雨の予報も出ていた。大学進学も決まり、束の間の緩やかな時間に恵まれた周は、以前よりゆっくり目に起床す。曇天ではあるが、受験で十分にできず、溜まっていた居所の掃除、洗濯などを午後早くまでこなし、その後、近所の馴染み所へ昼食に。コーヒーなどは、自分で用意しても良かったが、この日は食事の折にした。肉野菜炒めの昼定食を嗜み、食後のコーヒー片手に、スポーツ紙とスマート・ホン画面に交互に目を走らせていた所に、「いらっしゃいませ」の静かな、しかし凛とした挨拶と共に、人の気配。「周さん・・」宙がやって来たのだ。

「おお、宙ちゃん・・」周、彼女に向け一礼。「今日は何?買い物か?」 「ええ、近くまで来たから。LINEしようと思ったんだけど、もしかしたら、ここにいるかな?と思ったの。案の定だったわ」 「ハハ、そりゃ良かった。何か飲んでくか?」 「うん、それで」と返して宙、注文を受けに来た女性スタッフに「ああ、あたし、ココアお願いしますね」 「はい、有難うございます」そして、周の向かいに席を取る。

「実は・・」周が切り出す。「今日の夕方、お母さんに呼ばれててさ、この後行こうかと思ってたんだ」 「うん、あたしも聞いてたよ。小町先生と豊君も来るらしいね。何なら、早めに行ったって良いわよ」 「・・そうか。そう言う事なら」宙の言葉に従い、早めに出かけようとも考える周であった。

実は、宙はこれに先立ち、この土曜夜に何がありそうかを、ざっと姉の結から聞かされていた。結「ホント、母さんたら、もう一度 周を狙ってるみたいなの。小町先生にも来てもらって、彼の大学合格祝いって理由つけて、言わば二人で彼の『男』を味見しようって狙いね。で、小町先生は、そのドサクサに紛れて、豊まで巻き込んで楽しもうって魂胆だろうね。多分、そんなとこだわ」 

宙「ハハ、それって、随分不純な魂胆ね」 結「そう、正にその通りよ。今度はね、わざとあたしたちがいる時にやろうとしてるでしょ。もしかして、一緒に参加しろって意味かしらね?豊なんかは、小町先生とはもう深いお付き合いはしたくない・・とか言ってるらしいけど」 「ああ、彼はU18だからね。それで懲りてるのかも知れないわね」 「とに角、周だけでも、母さんから手を引かせないといけないわ。で、あたしにちょっと考えがあるんだけど」 「はい、聞きましょう」以下、姉妹の問答の中身は、後程記す事としたい。

「俺んとこ、寄るか?」食事が完全に終ると、周は、宙にこう訊いた。「ええ、ちょっとの間、寄せてもらうわ。少しお話もしたいし」こう返し。実は、周の居所に立ち寄る本当の目的は、この夜の計画に備えて、居室や浴室などの様子を見る事にあった。

「よしっ、それなら・・」周は立ち上がり、精算を図る、宙の手を制した。「ここは、任しとけ!」 「有難う」二人分の精算をして、一度居所へと戻る。落ち着くと、コーヒーを二杯入れ、宙にも勧める。「ホント、今日は久し振りで、栄町でゆっくり買い物ができたわ」 「そりゃ良かった。何なら、呼んでくれりゃ、俺の方から行ったけど」 「うん。でも、たまには一人で見て周りたい所もあるからね」 「ああ、それもあるな。東急ハンズのTV塔前店なんかは、特にそうかも」 「・・でしょ!」 「ああ、分る」FMラジオ放送の流れる部屋で、暫く談笑して過ごす。

「周さん・・」 「はい・・」 「ちょっとの間、WC借りるね」 「OK。照明は分るな?」 「ええ・・」十数分の間、宙は席を外す。周は別段、気にも留めなかったのだが、その間に彼女は、浴室や化粧台、台所にPCやネット機器の控える、少し前までの勉強部屋などを詳しく観察していた。「うん、夜の計画には十分だわ」戻った宙、少し化粧直しを施し、魅力が増して見えた。「やっぱりそうか・・」周は、全く疑わなかった。

「さて・・」4:30pm近く。「少し早めかもだが・・」 「うん」 「そろそろ行こうか」 「そうだね」 「自転車が使えんのが残念だが」 「必要ないよ。何故かは、後で分るわ」 「そうか、分った」 「うん、それじゃ・・」正装に替え、着替えのトレーナーや下着、洗面具とかを詰めたバッグを携えた周、同じく買い物を詰めたバッグを手に、春物の上衣と長めのアンダー、普段物のパンプスで装った宙を伴い、居所を発つ。N市営地下鉄で直ぐ隣までの、短い距離だが、この日の彼には、長めの行程に思えた。「一体、今夜はどうなる事やら・・」
(つづく 本稿はフィクションであります)

今回の壁紙 近畿日本鉄道 米野駅西詰 名古屋市中村区(左奥の建物が、物語中 A大学のモデル 愛知大学 新校舎の一部) 2017=H29,4 撮影 筆者
久石 譲さんの今回楽曲「春(Spring)」下記タイトルです。
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