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南へ・・ 第19話「航跡」

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「もう、本当に・・」周(あまね)と豊(ゆたか)、二人の若者が休む、豊野(とよの)家の離れを後にした美波(みなみ)は、思わずこう呟く。
「手指と口だけで、あたしを二度もイかせるなんて、どう言うコたちかしら。悔しいし、それに・・何か寂しい。彼たちなりに、気を遣ってくれてるのは分るけど・・」この夜、彼女は母屋にて、豊の母 緑(みどり)やその母 春江と、それぞれの近況や世間一般、それに芸能ネタの話などして、日付が変わって直ぐ、就寝。

翌 3/20の月曜。祝日「春分の日」でもある。この日、豊野家の漁は休日。家人たちと客人たちは、6am頃から思い思いに起き出し、体操や家屋敷周囲の散歩、一部の者は、朝風呂に興ず。7am代前半から朝食。和式旅館でもよく見られる、魚の焼き物や海草の味噌汁、海苔(のり)、生卵、米飯に果物少しと言った、お馴染みの面々が卓に上る。小一時間後の8am、周と豊は、朝風呂の後、少し早めに食事を終えた美波に、玄関脇に呼び出された。

「二人・・」彼女は言った。「あたし、ちょっと寮の部屋へ帰って雑用して来るから。そうねぇ、8:45amに、玄関の外の、最初の三叉路に出ていてくれるかしら?」 「分りました。一応、海パン持って行った方が良いですね。今日はちょっと、暖かそうだから」 「その方がいいわ。あたしも、水着用意して来るから」ひとまず、解散。

まだ朝風呂に入っていなかった周と豊は、この間に一度入浴する事に。浴室にて周「さて豊、いよいよお前の操船が見られるか?」 豊「・・ですね。親兄弟以外の方を乗せて出るのは、これが初めてですから、特に用心して行きますよ」 「まあ、平常心だな。大丈夫だろう。『普通の事を普通に』してりゃ、事故や問題は起きないはずだ」 「・・ですよね。俺も信じますよ。その事は」

周「所で・・」 豊「はい・・」 「美波さんもご一緒のはずだが、あの方の展開も考えんとってとこだな」 「それですよ。阿久比(あぐい)さん・・」 「うん。話を続けろ」 「小舟で20分位行った、入江のはずれに、祖父の持ってる、ホントに猫の額(ひたい)位のチンケな島って言うか、岩礁みたいなのがあるんです。砂地はないけど、砂利敷きみたいな場所が少しあって、小舟なら着けられます。そこは、波の力で岩が抉(えぐ)られた、洞窟・・までは行かないなあ。洞門って言うんですか?半分トンネルみたいなとこもありまして・・」 「なる程、そりゃ面白そうだな」

豊は続ける。「その洞門、丁度三人であの行為をするには、好い感じのとこです」 周「ハハ、それはいいな。表でする行為を『青kan』と言うらしいが、正にそれか?」 「まあ、そんなとこですね。それ多分、美波さんも分ってると思いますよ」 「アハ、そうか。それは『乞うご期待!』てとこだな」 「その島は、ウチの地所ですから、遠くからよく来る釣りの人たちも、上陸は禁止なんです。ですから・・」 「・・ですから・・か。まあ言わなくても分るよ。でも、言うか?」 「はい。人目を気にせず、堂々と裸であの行為ができる訳でして・・」 「あ~あ、言ってしまったな。そりゃ、昔あった様な『ヌーディスト村』じゃなくて『ヌーディスト島」やんか。それとも何だ『ヤリ島』とでも言っとくか?」 「ハハハハ、それ、どっちも好い感じですねぇ!」短い時間だが、檜風呂の感触を愛でながら、二人はひとしきり笑った。

8:45am、豊野家の母屋を発った周と豊は、玄関の南東に位置する、最初の三叉路で美波の到着を待つ。直ぐに、彼女の駆る、イエロー・カラーの軽自動車が現れ、周が前席、荷物載せを要する豊が後席に。彼たちが乗る予定の小舟「緑丸」が停まる桟橋までは、数分で着く。一昨日と昨日もそうだったが、この朝も、雲多めも晴天が続く。

豊が言う。「珍しいですよ。こうも晴天が続くのは」 周「うん、聞くなあ。この辺りは、日本一雨が多いんだってな」 「そうなんですよ。『春に三日の晴れなし』て言うらしいけど、ここ何日かは降らないみたい。家の連中の話で分かったんですが」 「そうか、まあいいや。できれば降られん方が有難いし」 「・・ですよね。多分、美波さんや阿久比さんの行いが良いからでしょう」 「上手い!ホントにそうだと有難いね!」三人は、声を合せて笑ったが、周の脳裏には、微かに「何が?」と言う想いが過(よぎ)ったのも事実だった。

早朝、出漁したはずの、仲間の漁船も既に戻ったらしく、小舟の停まる桟橋は静かだった。傍らに停まった車から、少しの荷物を移し、美波は、少し離れた駐車場所に車を入れ。その間に豊がエンジン始動。周が、持ち物が揃ったか、確認。予定通り、9amに、船は桟橋を離れた。

風は弱く、波もまあ穏やかだった。鏡の様に平ら、とは行かないが、船酔いを招く様な、不快な揺れはない。船尾の近くで、船外機のハンドルを握る豊は、前方を凝視して、慎重に船を進めて行く。勿論、入江の出口までの航路は決まっていて、スマート・ホンにその図面は入力しているが、父 樹(いつき)や祖父 兵衛(ひょうえ)から、共に船に乗った折、何度も教え込まれて、ほぼ暗記できている風であった。

牡蠣(かき)や海苔の養殖に使うらしい、幾つかの筏(いかだ)を傍らに見ながら、豊は船を、自転車より少し遅めの、時速8ノット(約 15km/H)位で進めて行く。筏の列から外れると、進んで来た後方に、豊たち馴染みの漁村の海岸線が、美しく続く。漁港、造船所と言った、人間による構築物も、一体に呑み込んで行く程、その曲線は、見る者たちを魅了した。

「やっぱり・・」周は言った。「百聞は一見に然ず・・はホントだな」 聞いた豊「・・でしょう。一度、海の上から、俺の故郷を見て欲しかったんですよ」 「そうだよねぇ、豊」美波も応じる。「時々、海の方から岸を見ると、好い気分転換になるのよ」 「気分転換・・ですね。分ります」彼たち二人も、応じた。不意に「おい豊!」周が声かけ。「はい!」豊が返すと「お前の操船が上手いせいもあるぞ!」 「そうそう!」美波も合せ「有難うございます!」の返事。出港して小半時足らずで、船は小島に着いた。

「念の為・・」周が言った。「船の前んとこ、岸に上げた方がいいかな?」 豊「・・ですね。できたらそうしましょうか」と返し、男二人で試すと、船首部分は何とか砂利の岸に乗り上がった。次いで豊が、係留の為 打ち込まれていた鉄杭に「舫(もや)い綱」と呼ばれるロープを掛け、周の応援を得て、固定。その間に美波が、積んで来た荷物を、直ぐ傍らの浅い洞門に運び入れ。船の固定が終わると、次は下ろしたレジャー・マットを敷き、手回り品中、必要な物が直ぐ使える様準備。小半時で一区切りすると、三人は、ペット・ボトルの日本茶を嗜みながら、暫しの休憩。

周は言った。「ホント、この海の景観見られただけで、ここまで来た価値がある様な気がするな」 豊「分りますよ。俺だって、何度来ても同じ想いですから」と返し、美波も「そう。後は、波の音ね・・」
「そうそう、それも素敵で好いですね」彼たちも応じ。暫く後「さあ、二人・・」美波が言う。「はい・・」 「これから、何が始まるか、分るわね」 「ええ、何となくですが・・」 「よろしい、それじゃ・・」そう言った彼女、笑みを浮かべながら、若者二人の眼前で、来ていた上衣、ブラウスの順に脱ぎ始め、下のロング・パンツにも自ら手をかけて行く・・
(つづく 本稿はフィクションであります。次回は 7/31月曜以降に掲載予定です)

今回の壁紙 JR紀勢線 波田須(はだす)~新鹿(あたしか)間 三重県熊野市 2015=H27,11 撮影 筆者
東京スカ・パラダイス・オーケストラの今回楽曲「カナリヤ鳴く空(チバ・ユウスケさんとの共演)」下記タイトルです。
カナリヤ鳴く空
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