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想いでの山峡(やまかい)~林間学級の秘密 第19話「思案」

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この特別林間学級三度目の「夜の補習」が無事終わり、女講師 伊野初美(いの・はつみ)と本荘小町(ほんじょう・こまち)は、シャワーを経て、着替えはせず、講師の寝室に入った。以下は、寝酒 グラン・マルニエのオン・ザ・ロックを嗜みながらの会話である。

小町「まあ、ここまでつつがなく来られて、好い感じじゃないの。あたしも、少しだけ楽しませてもらったしね」笑って語る。初美も「そう受け取るべきでしょうね。あの二人、思ったより上手い接し方するでしょう」笑いながら返す。
小町「後は、この学級が終わるまでに、どう幕を引くかよね。始まってしまったものは仕方ないけど、終わらせるのは、意外に難しいかもよ」こう言うと、初美「まあ、覚悟はしてるわ。来月のお盆前、彼たちを親許に返すまでに、きちんと終わらせないと、とは思ってるの」

小町「それと、繰り返すけど、くれぐれも貴方と彼たちとの関係、この寮 中山荘(ちゅうざんそう)の中だけの事として封じ込めるのね。
あたしは、経営陣の一員だから、そこの所も最後まで責任を持つし、理事長も、一定は分ってる。でも、一番しっかりしなきゃいけないのは、貴方と彼たちよ。行為の当事者になっちゃった以上はね」
初美「ええ、分るわよ」の返事。暫しの間、こうした会話が続いた所へ、寝室のドアがノックされる。「どうぞ」開いた向うに、二少年が顔を出す。

健(たける)、頭を下げ「先生方、遅くに済みません。ちょっと相談させて頂きたい事がありまして」、徹も「恐れ入ります」と一礼。
初美「いや、いいわ。すぐ話せる事?何ならここへ来る?」勧めると、健「いえ、先程まであんなでしたから、ここで短めに済ませます。実は、先生方の他に、もう一人相談したい人がいまして、お話しておいた方が良いと思ったんです」初美「聞かせて。誰かしら?」
健「伯父です。中条 新(なかじょう・しん)。徹も、とても可愛がられていて、父の会社の、大きな秘密を守る立場でもあるんです」

初美「待ってね。小町さんの話も聞くわ」聞いていた小町「ああ、君たちも、男性(おとこのひと)の相談相手がいた方が良いものね。中条さんは面識もあるし、一、二度話した事もあるけど、あの男性(ひと)なら良いでしょう。ただ、今日はもう遅いから、明日の昼間に、あたしから中条さんに話は通しておく。その上でなら、二人とも相談していいわよ」
二少年は「有難うございます。では明日、お話を伺います。遅くに済みませんでした」こう告げて、生徒の寝室へと下がった。

二女講師は、各々もう一杯だけ寝酒をあおって休む事にした。小町は言った。「それにしても、静かな夜ね」まだ着替えていない、ごく淡いミント・グリーン絡みの白いミニコス姿が、初美の視点からも妖艶に映った。

明けて7月27日の月曜。晴れ間はあるも、前日より雲やや多め。少年たちは、朝6時前起床はいつも通りだったが、早めの洗濯にかかれる様、朝錬はキャッチ・ボールなど軽めにとどめ、前夜の補習に、二女講師が着たミニコスがフル・セットで出ているのを確かめた。
7時半の朝食前に洗濯は終了。初美も、その事が分っていて、二少年のこの対応に、明らさまな文句はつけなかった。

小町も加わり、粥メインの朝食。掃除の後、9時前の、JR中央西線上り貨物 3088列車の通過を合図に、午前一限目の、小町の理数科授業に入る。午前二限目は、初美の書道。授業の間に出動した管理人 早瀬夫妻が用意してくれた昼食を挟み、午後、二少年は、洗濯物収納まで午睡。特別講師 山音香緒里(やまね・かおり)が着くまでの間合いで、初美と小町はもう少し話し合う事に。
初美「中条さん、この時間で話ができるかしら?」小町「午前の教科が終わった所で、メールを入れておいたわ。折り返しで下さる様」
その時、小町の携帯に着信。中条からだった。

「中条です。暫くでした」「お忙しい所済みません。佐分利の本荘です」「どうも。いつも、健がご面倒をおかけして恐縮です」「とんでもありませんわ。今も大元気。箕輪君もね。勉強も、予定通り進んでいる様だし」「いやいや、それお聞きして一安心。そのご報告でしょうか?」

小町「でね、中条さん。ついでみたいで悪いんですけど、もう一件聞いて下さる?この林間学級を進める上では、あたしたちが指導と相談とかに当たってるんですけど、彼たちの話だと、やはり男性の相談相手がいらした方が良いみたい。で、貴方のお仕事に差し支えない所でって条件で、相談とかを認める事にしたんです。ですから、こちらもご面倒をおかけして申し訳ないんだけど、教科のない夜とかに、彼たちからご連絡が行くかもですから、一言お伝えしておこうと思いましてね」

中条「心得ました。まあ、先生方もご承知かもですが、或いは、余り大声では言えない事共もあるでしょうから、その辺りは箕輪君の方を含め、必要なら拙方が対応致しましょう。勿論、二人の親御さんには、一切伏せると言う事も確約致す次第」
小町「有難うございます。こちらも、その様に彼たちに伝えます。後は、必要な時に、伊野やあたしにいつでもご連絡を。あたしはこれで、一度N市へ戻りますが、この学級の終わり頃には、又来る様にしますから。じゃ、そう言う事で、宜しくお願いしますわ」
中条「こちらこそ、引き続きお世話をかけますが、宜しくお願いします。お帰りはどうか、ご安全に。失礼します」通話終了。

もう暫くの打ち合わせの後、初美は午睡の二少年を起こし、洗濯物の収納に当たらせる。勿論、前夜の「補習」に着たミニコスは、遺漏なく隠させた。ほぼ片付いた所へ、、香緒里が着く。小町とは、20分程時間が取れるので、初美を交え、女講師三人で、引き継ぎインの打ち合わせ。二少年は、自由研究を進める。

午後3時半少し前、N市へ戻る、同乗する小町の送りを兼ねて、管理人 早瀬夫妻が愛車「ニッサン・セレナ」で中山荘を離れる。川下の街のJR駅へは、上り特急が4時前に入る。これが、小町の戻り列車だ。
出がけ、彼女は初美に「じゃ、ここだけに封じ込めるって事で、お互い気をつけて行こうね」と告げ「一番に守らないといけないのは、彼たちの未来だからさ」こう続けた。初美も「良く分るわ。その事は、これからも折々連絡をし合わないといけないわね」と応じたのだが、この時の声が大きく、一部が、近くにいた香緒里の耳に届いてしまった。

夕方前、香緒里の教科一限。入浴、夕食を経て、ピアノ演奏や歌唱の鑑賞などをして過ごす。
「有難うございます。お疲れ様でした」初美から、中条との相談許可を得た二少年が生徒の寝室へ引き上げた後、講師の寝室に入った香緒里は「初ちゃん」声をかけた。初美「何かしら?」と応じ。

香緒里「小町さんがお帰りの時、玄関でしてた話が気になるんだけど、何かあったの?」「別に・・何でもないわ」初美は、何とか「夜の補習」の事共には、香緒里を踏み込ませたくなかった。だが、彼女の疑問は、最早 押し留められるレベルではない様だ。
「本当の事を教えて!貴方と彼たちだけでいた時に、何があったかを。私だって講師よ。その事は、知っておかなければならないわ!」
「こうなったら、仕方ないか・・」初美は観念した。そして「分った。話すわ・・」
(つづく 本稿はフィクションであります 2016=H28,7,21記)

今回の人物壁紙 篠田あゆみ
渡辺貞夫さんの今回楽曲「ノスタルジア(Nostalgia)」下記タイトルです。
Nostalgia
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