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想いでの山峡(やまかい)~林間学級の秘密 第21話「交錯」

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7月28日の火曜、曇りがちの空。細かい降雨だ。前夜余り眠れなかった事もあり、健(たける)、徹の二少年は、草サッカー朝錬を断念、教室でのラジオ体操に切り替えた。そのまま二人で手分けして、教室と生徒の寝室を順に掃除。その間に、初美、香緒里の二女講師は、朝食準備を進める。

前夜、日付が変わって暫く後、中山荘(ちゅうざんそう)のセキュリティ・システム警報が作動した。初美が、川下の街にある、警備企業出張所の担当による電話フォローの下、直ちに監視カメラを確認。その結果、鹿らしい動物と分ったが、もし、人物だったらとの不安が付き纏ったのも事実だ。警報時には、全員が起きて、講師の寝室に集合する決まりなので、それに則り、起きて来た二少年に、香緒里は言った。「まあ、不安がってばかりいても、仕方がないけどね」二女講師は、寝酒を一杯だけ交わして、就寝したのだった。二少年共々、余り眠れなかったのは、そのせいだ。

優れぬ天候の下、午前中はいつも通り、初美の国語、香緒里の英語で教科をこなし、管理人 早瀬夫妻の手による昼食の後、二少年は午睡。その間に、初美と香緒里は暫し話し合う。
香緒里「あの事だけど、すぐ止めるのは、それは無理でしょう。だから少し日数を見て、徐々に解消して行くやり方が好いんじゃないかしら」「有難う。少しでも、日数がもらえれば嬉しいわ。彼たちの心身も、ゆっくりと、その事から解放してあげたいし」初美はこう応じるも、内心では、少し違う思考が芽生え始めているのかも知れなかった。

香緒里「皆で、N市へ戻るのは、31日の金曜だったわね」 初美「そう。その日の夕方前の、上りのJR特急での戻りになるかしら」
香緒里「分った。林間学級の終盤は、8月3日の月曜からだから、N市へ戻った折に、小町さんも交えて、一度話し合いの機会を持たないとね」 初美「ええ、いいわよ。そう言う機会は是非お願いしたいわ」

香緒里「所でさあ、今夜の講話で、ちょっと貴方に訊きたい事があるんだけど」 初美「うん。ああ、何かしら?」 
香緒里「やっぱりね、貴方と彼たち三人だけの夜に何してたか、気になるんだよね」「言うと思った。まあ、できる所で答えられる様にするわ」初美はこう応じ、苦笑した。

夕方前、少年たちは午睡を終え、帰宅する早瀬夫妻を見送ると、自由研究の作業を進め、JR中央西線の下り貨物 81と5875の各列車が通る時間帯に合わせて、中山荘の敷地周りを散策した。コンテナ専用の前者は、珍しくも、機関車一機単独での牽引で現れた。通常は、二機重連だが。紺と白の斜め方向の外装が特徴的な、俗に「牛乳パック」と呼ばれる、大宮工場色の機であった。

健「EF64(1000代)単機とは珍しいな。ちょっと荷が少ないかな?」 徹「そうだね。でも、これからは、こう言うのが増えるかも知れないな。大体、N市の傍からG県下まで、ずっと重連ってのも、何か無駄っぽい気もする様な」 健「そうだな」
そうこうする内に、石油専用の5875列車も通過。こちらは二機重連。国鉄時代そのままの、紺色基調の所謂「原色」機関車が先頭だ。「原色は、好いなあ」撮影を終えた二少年、そう呟く。

屋内へ戻り、これもいつも通り、二女講師、二少年の順で入浴。早瀬管理人が調達してくれた、蟹コロッケがメインの夕食。片付けを含め終了後、少しだけTVやスマート・ホンをチェックして、夜の講和に入る。二少年は、浴衣に着替えて生徒の寝室で待機。そこへ・・。

「二人、入るわよ」ドア・ノックを経て、浴衣を纏った、二女講師の麗姿。初美はピンク系と白、香緒里はブルー系と白の装い。二少年「うわ、浴衣も素敵ですねぇ~!」どよめく様に呟く。
香緒里「今夜の講話を始める前に、一言断っておくわね。初美のいつもの姿とは違うかもだけど、なるべく君たち三人だけでいる時の状況(シチュエイション)にしたい訳。だからその時の様に、私も、名前で呼んで欲しいの。替りに、君たちも、自分の事を『俺』と言って好いからね」「かしこまりました。有難うございます」と二少年。

初美、今夜は徹のベッドに上がり、浴衣の裾をはだけてスポーツ座り。妖精調ミニコスより、むしろ刺激的かも知れない。香緒里は、健のベッドに陣取って膝崩し。「さあ、少しは覗ける様にしようかしら。でも」ここからは二女講師揃って「安心しなさい。穿いてるわよ」と、彼たちを落ち着かせる一言も。

香緒里「二人、聞いて。今夜、全員浴衣になってもらったのは、私も、初美と君たちだけの、夜の間柄を知らされたからなの。別に、不安がる事はないわ。彼女だって、悪気があった訳じゃない。君たちに、女の深い所を知らせようとしただけの話よ。ただ、この間柄は、いつまでも続けると、為にならないの。だから、これからこの学級が終わるまでに、どの様にして終わらせるかを、話さないといけない事になったって訳よ」

健「お話は分りました。実は俺たち、昨夜寝る前に、ちょっと、伯父とSMSで話をしたんです。伯父は、俺たちも、この事に関わってる本人、当事者って言うんですか?なので、逃げずに責任を持って向き合う事と、必ず、先生方のお話を聞いて動く様にって事でした。これをまず、お伝えします」

初美「有難う。伯父様も力になって下さる事だし、これから、あの方と相談したら、必ず知らせて欲しいわ」「それは、初美の言う通り。是非、実行してね」香緒里も合せる。二少年「かしこまりました」の返事。

香緒里「さあさあ、それじゃ、三人だけの夜の事を、もう少し聞こうかしら。お風呂とか、一緒に入った事あるの?」「ありますね」二少年、苦笑しながら答えた。香緒里「更に訊くわよ。その時の彼女は、綺麗だった?」 初美は流石に「ちょっと、やめてよ!」制するも、香緒里は続けた。二少年は「勿論です。俺たちのヴィーナスですから」と応じ。香緒里も「なる程・・」納得の表情だ。

徹「健、ちょっと俺が喋っていいかな?」 健「ああ、どうぞ。お前の話は楽しみだわ」促す。
徹「実は、俺たちの学校の図工教室に、ヴィーナスの石膏像があるんです。俺、あの『半脱ぎ』の雰囲気がとても好きで、放課後なんかも、時々見に行ってたんですね。それで、今度の林間学級でも、初美さんは『全裸よりも半脱ぎの方が素敵』って思う様になったんです。これ、俺の想いでもあるんです」笑って語る。
健「徹、ちょっといい?お前まさか、ヴィーナス像見に行った折にさ、教室の物陰で自慰(オナニー)したなんて事はなかったろうな?」 徹「いや、それはないよ。先生や用務の人の見回りに引っかかるしさ。実際一度『こら、箕輪!何してる?』て、教頭に睨まれた事があったな」聞いた二女講師、大笑いである。

初美「ふ~ん、そう言う甘酸っぱい思い出があるのね。所で今、ヴィーナスとあたしと、どっちが素敵?お・し・え・て」セクシーな出方で、迫って来る。徹、やや慌てて「あ、あ、それ・・勿論、貴方ですよ」「よろしい。理解してあげるわ」初美、笑いながら収める。

それから、初美と二少年による、熱い夜のやり取りや、行為の時のゴム必着の心得などを話し、午後9時頃、講話の時間は終わりを迎えた。香緒里「熱いお話、有難う。それと、最後に終礼の儀式があったわね。それ、私に見せてくれる?」対する初美、違和感を覚えた様だが、すぐ向き直り、まず、健に傍に来る様促す。

「さあ、始めるわよ」健の「初美さん、好きです」の挨拶に続く、濃厚な口づけが、約30秒。続く徹とも「初美さん、好きです」の挨拶に続き、同様に。香緒里「些か、嫉妬するわね。でも、好い感じの終礼。初ちゃん、貴方の指導も中々だわ」少しく感心した様だった。
「先生方、有難うございます。お疲れ様でした!」「二人、お休み!」二少年、寝室へ向かう二女講師を見送る。今夜こそ、良く眠りたい所だが。
(つづく 本稿はフィクションであります 2016=H28,7,26記)

P,S JR中央西線貨物 81列車は、昨2015=平成27年まで、電機二機重連での行程が基本でしたが、荷の状況により、一機単独での行程が発生し始め、今春の運転ダイヤ改正により、関連する83、上り貨物 80の各列車と共に、一機単独での行程に正式変更されました。

今回の人物壁紙 初美沙希
渡辺貞夫さんの今回楽曲「ロード・ソング」下記タイトルです。
Road Song
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