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パノラマカーと変な犬 第27話「揶揄」

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7月最終日を迎えた。雨は未明に上がり、曇り空の月曜だ。真夏の暑さの一方、日照がない為 少し凌ぎ易いのも事実だった。学術交流の為 当地入りしている由香、由紀の木下姉妹。行事そのものは翌 8/1の火曜からだが、この日は 学生たちの自主的な準備会合が、半日の予定で開かれるのだ。

「お早うございます!」 「ああ、お早う!」半裸の状態で、中条は 妹の由紀を上に重ならせたまま、姉の由香は 寝室のダブル・ベッドに一人寝で、雨上がりの朝を迎えた。目覚まし役は、中条一人の時と同じ、斜め向かい家の不良な飼い犬「マル」の咆哮である。6:30am前後に、必ず階下を 複数いる散歩人の 一人や二人は犬連れで通るのだ。

「やれやれ、今日も元気にアホーマンス・・か」下着(アンダー)を着け直し、相変わらずの、甲高い吠え声を聴き流しながら、厨房でコーヒーを沸かし立てる中条。前後して 同じく衣装を直した由香も厨房に入り、卵を茹で、野菜の浅漬けや果物などを用意。今日のパンは、クロワッサンだ。その間に由紀は、寝室の片付けと、居間のソファを元に戻したり、雑用をこなす。勿論着衣も直してだ。

7am前には、テーブルと椅子三脚を ヴェランダ近くに持ち出しての朝食。TVニュースをチェックの傍ら、斜め向かいにも 時折目を遣る。飼い犬「マル」は、餌に釣られたのか 一旦階下へと消えた。「さて・・」中条が言った。「アイツが飯食いに行っとる間に、今日の予定を聞いとくかな。二人は、ゆっくり出かけりゃ良いのか?」

「はい、伯父様」由香が返し、続ける。「今日は、明日からの交流行事の準備会合で 10amに、佐分利学院のロビー集合って聞いてます。会合そのものは 10:15am頃からや思います。お昼挟んで、終わるのは 2:30pm予定かな。その後、有志で軽く茶話会位あるでしょうから、ここへの戻りは 4pm位や思いますよ」 「さよでんね~、あたしも同様に伺ってます。違う学年やけど、終わるのは一緒位の時間かと・・」それを受ける様に、由紀も応じた。

中条「よしゃ、分かった。もう分かる思うが、由香ちゃんに合い鍵と買い物のカネを預けるから、戸締りとかは抜かりなく頼むぞ。俺は、8am前には出かけるからな。一時間半位後を目途に、ここを出りゃよさそうだが、まあ遅れん様に。のっけからそれやると、(悪く)言われるだろうから・・」 

由香「はい、確かに。ようく用心してやります。買い物は、あたしたちの判断でよろしですか?」 「ああ、うん。それで良いな。円頓寺の丸万ストアはもう知っとるやろうから、今日夕方は、できたら緑地公園近くの商業施設(ショッピング・モール)へ連れてってやるよ」 「さよですか、そりゃ楽しみや。さあ由紀、頑張って 行って来よな!」 「せやせや!楽しみにも励みにもなるさかい!」

早めの朝食が終わり、あと一杯 コーヒーを嗜む時間がありそうだ。途中まで片付け、二杯目のコーヒーが入ると、それにタイミングを合わせた様に、向かい家の「マル」が 又も姿を現した。階下では、丁度コイツの飼い主の子弟が、小学校へ向かう為の待合せをしている。近所の生徒が揃うと・・

「マルちゃん、行って来るよ~!」小学校へ向かう男女生徒たちが、てんでに声を上げ手を振って 上階の「マル」に合図を送る。対するコイツは、ちぎれるのではと思わせる程 激しく尻尾を振り、結局さっきより 更に大きな咆哮で応じる。「ワン、ワン、ワォォォ~ン!」些か耳障りな程のレベルである。これが、中条の失笑を誘った。「ホントにまぁ・・」呆れた様に 彼は言った。「何が『マルちゃん』だよ。この野郎は、確実に名前負けしとるな~!」

「ふふ、伯父様・・」由紀が 笑いながら返す。「マルちゃんが名前負けなら、ペケちゃんかしら?」 中条「いや~惜しい!アイツは『ペケ』より低レベル。『マル』は『マル』でも品性悪の『Kusoマル』だわ~!」と応じ。「又また・・」聞いた由香が、呆れた様に反応す。「ホンマ、伯父様のお話通りなら『Kuso』シリーズができそうでんな~!」 「悪いなぁ、由香ちゃん!」中条は返し、そして続ける。

「だって事実やもん。この後の行状見てりゃ、俺の話が嘘やねぇ事が分かるだろうな」 由香「へぇ、ホンマでっか?あたしにゃ何か、伯父様の偏見かいな~とも思うんやけど・・」 「さよですね~!『Kuso』は伯父様基準みたいな気もしますけど~・・」傍らで、由紀も首を傾げながら合わせた。対する中条は言う。

「まあ、二人とも見たってくれ。又アイツ、鉄柵(フェンス)と空調(エアコン)室外機の間にある隙間に潜り込んで行く。夕べも、これやってたんや」実はここから、鉄柵の外側に出られるのだ。その外側は、建物外壁のコンクリートが低く盛ってあるだけで、何の保護(ガード)もない。下手に乗り越えて踏み外そうものなら、高さ十数mから 階下へ逆落としだ。

「つまり、変に慣れちまったんだろうな・・」これを見た中条が言った。そして続けた。「俺は今朝は見られんかもだが、もう少しすると、アイツは『大』の粗相をしやがるだろう。そうすりゃ 俺の話もホンモノやってのが分かるよ。アイツの行状はそんなモン。そやから『Kusoマル』って事。そうでなければ『おマル』だわ~!」

由紀「ふふ、さよですか。まあ『おマル』の方が、まだ可愛いでんな。あたしは『Kusoマル』は感心しまへ~ん!」 「おー、由紀 よう言うた。あたしも同意やで~!」犬に対する中条の蔑称に、姉の由香も加勢して対抗する様だ。聞いた彼は言った。「あ、いやいや・・ご免ご免。俺、そろそろ行かんと遅刻するんでな。そいじゃ二人、くれぐれも戸締りを頼むわ。火の元は見てあるからな~!」

「分かりました。おおきに!お気をつけて」 「行ってらっしゃいませ~!」姉妹の美声に見送られ、夏の正装で居所を出た中条は、階下に駐輪の 社用の婦人自転車(ママチャリ)に跨り、勤務先へ。外務がない日の、いつもの通勤風景だ。「伯父様、毎朝こんなんかな?」由紀が訊くと、由香「ああ、多分な。まあ 外務のある時ゃお車もありやろ・・」 

由紀「それにしてもさ・・」 由香「うん、何やね?」 「伯父様の『男』も、中々好い感じやったな」 「由紀も好きやな。又しゃぶったのか?」 「そんなん、想像すりゃええやろ?」 「ええのか?あたしは 下品な想像もするで」 「ふん!まあ 覚悟しとくわ」

由香は続けた。「アンタは、ここへ来る早々 伯父様のトイレに入り込んで、ぬけぬけと放水を覗いた。それだけやないやろ。次にゃ、自分の放水を 伯父様に じっくり見て頂きましたってか?」聞いた由紀「そら認めるわ。そやけど、お姉ちゃんも 夕べ 同じ事してたん違う?」

そう言われると、姉とは言え これ以上の追及はし難かった。「仕様(しゃあ)ないなあ。まあ、ここは見逃しってかあ?」 「ふふ、そないに大事(おおごと)みたく 騒ぐ程でもないやんか?」どうやらこの所は、由紀の方が 一枚上手の様だ。

そうこうする内に、一時間位は直ぐに過ぎる。斜め向かいの「マル」は、機嫌が良くなったか、己の尻を グルグルと追い回しにかかる。中条が揶揄する「気狂い踊り」が始まったのだ。「又やったね、マルちゃん 可愛いよ。よ~く見せてや!」由紀が、笑って呟く。中条は「気狂い踊り」と揶揄するも、姉妹には好ましい光景だ。暫くして、由香が言った。「さ、そろそろ出かけよ・・」 「うん、そうしよか・・」姉妹は、てんでに身支度を開始した。
(つづく 本稿はフィクションであります)

今回の人物壁紙 浅野えみ
中村由利子さんの今回楽曲「光る風」下記タイトルです。
Hikaru Kaze
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