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パノラマカーと変な犬 第55話「意表」

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由香、由紀の木下姉妹を伴い 周(あまね)の親元を訪ねた中条は、二階客間の隣室を借り、周の話に耳を傾ける。「伯父さん、実は・・」彼はこう言い、手にしたスマート・ホンの LINE文面を示す。「うん。お、これは・・」一読した中条は、一瞬 動揺したかに見えた。

「周君、これ・・」 「ええ・・」 「ひょっとして、花井 結(はない・ゆい)姫に宙(そら)姫の姉妹、これからこっちへ向かうって事かよ?」 「そうとしか読めませんね。結先生の文面ですが『この後、そっちへ行くからね~』は、そういう事ですもんね」 「ああ、まあな。んで着時刻とかは分かってるの?」 「はい、お家の用事が済み次第という事ですんで、多分夕方かと・・」 「分かった。そう急ぐ事もなし。由香ちゃん 由紀ちゃんには、この後 出かけた折に、俺が話しても良いわ」 「はい、状況によっちゃ 宜しくお願いします。自分は、結先生の予定を聞いておきますから・・」 「OK!んじゃ、そっちは宜しくな!」頷き合って、部屋を出る男二人。入室して 10分足らずの事だった。もうすぐ 1:30pm。

「お邪魔しました。有難うございました!」 「こちらこそ。今日はご苦労様でした!」姉妹と中条が、周の両親と挨拶。周自身は「じゃあ自分は、伯父さんの関係に泊りますから」 「了解、ま・・気をつけて。車はワゴンで良いからね」 「有難う。行って来ます!」
阿久比家を辞した姉妹と中条は、周の両親の愛車 アイヴォリーのトヨタ・アルファードに同乗して発つ。「どこか、見晴らしの良い所へ行きましょう」周の提案に、三人は快く同意。鰻の養殖や 競艇を含むマリス・スポーツが盛んな 浜〇湖の北岸を目指して、暫しのドライヴだ。

浜〇湖北岸のリゾート施設 P園には、出発して半時程で着いた。太平洋へと繋がる、湖の遠方まで見渡せる高台の展望ブースに上がると、姉妹は顔を輝かせて見入った。「ええなぁ、こないな眺め!」 「うんうん、何か解放された様な気になるで~!」それは、男二人も似た様な風(ふう)だ。曇り空のお蔭で、暑くも 適度な海風が心地良い。「たまにゃ、こんなの眺めて気分転換せんと・・」 「・・ですよね。特に街中ばかりだと、ストレス溜まって 終いには・・ての、確かにありまして」小半時ばかり、湖畔で目と心の保養をした後、至近のレスト・ハウスに移動して、思い思いの飲料を嗜み 小一時間の茶話会。

この席で「皆さん、ちとお伝えしたい儀がありまして・・」丁寧に 周が切り出す。「はいっ、聞きましょう。阿久比君は続けて下さい」他の三人は、声を揃えて返す。周はこれ受け「昼食の前後に分かった事ですが、これから夕方、花井 結先生と、妹の宙ちゃんが吉田に来られるそうでして」 これを聞いた由香「ほう!結先生に宙ちゃんも、姉妹でお越しなんやな。でも、よう予定が合うたなぁ」 「いやホンマ、偶然とは言え よくまあドンピシャと・・」妹の由紀も合わせる。

聞いていた中条「うんまあ、それ 初めは俺が話すつもりだったのよ・・偶然と言や偶然なんだが『あの』お二人が こっちを目指してるって事で、我々もその事を織り込んでおかんとって事だ。まあ、これからの展開が不安って人もあるかもだが、それはまあ『その時はその時』って事でさ・・周君 有難と」 周は「いえいえ・・」という感じで会釈。このやり取りを 静かに聞いていた姉妹だったが「伯父様・・」と、由香が静かに切り出した。

「ああ、聞こう。何だろな?」中条は、努めて雑にならぬ様返事。由香は続けた。「結先生と宙ちゃん、あたしたちが来てる事を知ってて 向かってはるのかしらね?」 「いや、俺には分からん。あの二人には、貴女たち姉妹が 今日こちらへ来てる事も知らせておらん。ホントだよ」 「分かりました。伯父様を信じるわ。この前の、新潟とかへの旅の時も、とても誠実に接して下さった。『何か裏が‥』とか考えるのは、非礼ですもんね。これ、由紀も同じよ」 「そうそう、正にその通りでっせ!」とでも言う様に、傍らで 由紀も頷く。

「そう思ってくれりゃ、有難い・・」 「ですよね。本当に『たまたま』の事でして・・」一種際どい応対にはなったが、男たちは 一歩間違えば 大きな誤解に繋がりかねない場面を 何とか凌ぎ切った様だった。「んで、結先生たち、吉田には何時頃お着きなんですか?」由紀が尋ねると、中条は「さっきの 周君の話じゃ 4:30pm前だとか言われてたな」 周「ええ、N市中央地下駅を 3:30pm頃の特急に乗るお話でしたんで、着はその頃です。今 3pm過ぎですから、もう少ししたら 向かえば良いでしょう」 「相分かった。折角景色の好いとこへ来たから、時間までゆっくりして行こうや!」 「・・ですねぇ、同意ですぅ!」先程まで複雑な表情だった姉妹に、笑顔が戻った。

湖畔での談笑と気分転換が区切られた 3:30pm、車は浜〇湖北岸から西岸にかけ、吉田の市街地へと向かう。緩いカーヴを組み合わせた様な県道を、50km/H位の ストレスもスリルもないペースで、しかし着実に進む。周の運転は、思いの他慎重で、助手席の中条も「もう少しキレてると思うたが、意外やな。まあ、その方が正道だけどさ」 対する周「まあ、二十歳そこそこじゃ、家も車も 親と共有でなければ叶わない事ですからね。ここは、用心して行きます」 「偉い!長く、その心がけでな」 「はい、有難うございます!」

途中から R1に合流、短い距離だが 路面電車とも並走する。この地方では中々見られない光景だ。「ふ~ん、色んな電車が来るねぇ」後席の由香、由紀の姉妹は 珍しそうに見入る。助手席の中条「そうなんだよな。ここは、北隣の G市や首都圏で走ってた 色んな年代の電車が集まってるんだ。勿論、最近入った新鋭もおってな・・」 由香「そうですかぁ。何となく分かって来た様な。つまり、前は他の街を走ってた電車が、今ここへ引っ越して来てるって事ですね」 「まあ、そんなとこだな。殆どがな・・」 

ここで、妹の由紀が言った。「それにしても、今の電車は皆、全面広告車体(ボディ)なんですね」 中条「ああ、それな。言うと思ったよ。もう分かると思うが、運賃や料金の収入だけじゃ、経営がもたねぇ。だから車体を広告スペースに貸して、少しでも収益の足しにしてるって事よ」 「ああ、そないな事ね。JRも私鉄も大変なんですね」 「そう、特に地方のそれがな・・」

「釣りかけ式」と呼ばれる、旧来の重い走行音を轟かせ走る レトロ調の電車と並走しながら JR三河吉田駅に達したのが 4:15pm頃。「俺、プラットフォームまで迎えに行くから、貴女たちは車内にいて欲しい。何、ほんの 10分ちょっとだから わざわざ駐車場に入れるまでもなかろう」 「分かりました。そうですよね。それじゃ、自分たちは残りますから・・」と周。バス停位置を避ける様に車を停め、中条が降りた直後、左後席にいた由紀が「伯父様、待って!」 「お~、由紀ちゃん。貴女も来るか?」頷きながら由紀、中条に続いて行く。少し歩いた所のエスカレーターに乗った二人は、直ぐに見えなくなった。

余り目立たない、車寄せの後端に停まったワン・ボックス車内は、由香と周だけになった。「ちょっと、話していいかしら?」 「ああ、ちょっとの間ですけど 良ければどうぞ」周は軽く返した。由香は直ぐ、後席から前席に移る。周の表情に、ほんの少し「!」の感じが走った。「ふふ・・」由香は言った。「周君、お話は分かってるわね?」 「あは・・ああ、まあ 何となく・・」途切れ気味に答える周。その直後・・

「それはね・・」そう呟きながら、由香の右腕が 素早く周の肩後ろ辺りに回る。「由香さん、ちょっと待って!」彼は一旦 由香の動きを制し、前窓(フロント・ウィンドウ)の内側に日よけシェードを巡らす。その間に由香「好い物があるわね・・」と呟きながら、助手測窓(サイド・ウィンドウ)に、吸盤固定式の日よけシェードをセット。後席と後方の窓は、元よりスモーク状の、プライヴァシー・グラスだ。

再び周に腕を回し、彼からも左腕を返された由香「お話とは、こういう事よ・・」呟きながら、周の唇を奪いにかかる。「あ・・う・・い、嫌・・と言っちゃいけないな」そう返しながら周も由香の唇を奪い返し、交互に舌を絡めて高まって行く。一度は左手を由香の背後に回しながら、緩めた所で、上シャツ越しに 中庸な胸の双丘を探る。「いいんだ、少し位・・」短くも、甘い一時が回り始めた。
(つづく 本稿はフィクションであります)

今回の人物壁紙 小島みなみ
中村由利子さんの今回楽曲「What I live for」下記タイトルです。
What I live for
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