FC2ブログ

記事一覧

ちょっと入淫 第26話「夕景」

ab61910b.jpg
夏の日曜午後、曇天の下 入院中の宮城一路(みやぎ・いちろ)を見舞った 4人は、大声では言えぬ事共を含め、約一時間半で 鵜方病院を辞す。階下に降り、駐車場に待つ 永野(ながの)の車に戻る途中「永ちゃん・・」 彼に続く中条が、後ろからそっと耳打ちをして来た。「はい、中条さん。夕方の会食後の事でしょうか?」当然の事だろうが、察しの良い彼は 中条の意図の相当な所まで把握していた。

「好い勘だな。それだよ・・」もう少し後から 由香、由紀の木下姉妹も続いて来る。中条は、彼女たちに悟られぬ様 永野に言った。「そう。つまり室(むろ)さんとこでの会食の後な。まあ訊かずもがなとも思ったんだが、俺んとこに顔位は出すんかなぁって思ったからだよ」 

聞いた永野「有難うございます。彼女たちも来られてる事だし、今夜は挨拶程度にしとこかなぁとも思ったんですが、中条さんがそういう事なら お言葉に甘えても良さそうですね・・」 この時中条は、永野夫人・真昼が 事情で翌日まで実家に戻る事を、彼から聞いていたのだ。

中条は続けた。「奇遇だなぁ、永ちゃん・・実はよ、俺の方の初ちゃん(交際相手・伊野初美の事)も、実家に戻ってる日なんだが・・」 永野「ハハハ、何だか『出来過ぎた偶然』みたいな感じもしますが、まあいいか。今日の仕事は 待ち合わせの前までですから、それなら割合ゆっくり飲めますねぇ」 「まぁ『その後』を含めてそんなとこだな。お互い『鬼の居ぬ間に』みてぇで恐縮だが、楽しみにしとるわ」 「ああ いやいや、こちらこそ『その後』を含め 楽しみにしてますよ。まあ気をつけて戻らないとね」 「それだよ。一番大事だよな!」 この間に永野は、中条に反応しながら 車を出す準備。

往路同様、後席に姉妹を迎え 一旦中条の居所に戻ったのが 4pm前。「ラッキーですよ。これから JR中央駅乗りで、本社近くまで行かれるお客がいらすんです。それと雑用で、今日は終了です!」中条の勤務先タクシー券で 精算を終えた永野が言った。「ああ、好いねえ。永ちゃん、この後もついてんじゃねぇか。まあ、そんな時は『問題』もそれなりだから、気をつけてな」 「有難うございます!お互いにですね・・」 「うん、それじゃ、直で室さんとこで 6pmに!」 「はい、では後程・・」居所(リヴィング)のある高層住宅の構内から公道へ出る 永野の車を見送ると、中条たち 3人は、再び部屋へ。斜め向かいの屋上に目を遣ると、丁度例の犬共 4匹がけたたましく駆け回り、転げ回っている所だった。

「まあ、あの『気狂い踊り』も せいぜい今の内に見といてくれると良いな。明日朝は 宮城さんが退院予定だからさ。或いは見られねぇかもってとこだからな」空調(エアコン)を入れ、姉妹に席を勧めた中条は アイス・コーヒーの準備をしに厨房へ。妹の由紀が TVを入れると、丁度プロ野球試合の中継をしていた。地元球団 NCドラゴンズと関西の雄 HEタイガースの 中京ドームが舞台の三連戦最終日。高校野球夏季大会の絡みで、夏は本拠地球場が使えず 遠征の多いタイガースだが、 この夏は頑張りが光り 今回の三連戦中の二戦でドラゴンズに勝利。この日の最終戦も、微妙な拮抗を見せる接戦、姉妹は気を良くしていた。

「ホンマ、この調子で 今日も頂きやで~!」と姉・由香が気張って言えば、妹・由紀も「せやで~!何たって 勝ち越しとるからな~!今日は正直、どないなっても安心やな~!」と応じ。画面に流れる野球試合の模様も、窓外で騒ぎ、駆け回る犬共の元気な姿も、姉妹の気分を昂揚し、心地よくするに十分だった。

中条「お待たせ。さぁ、クール・ダウンな・・」 姉妹「おおきに、有難うございます!」各自にアイス・コーヒーとその連れ合い「うなぎパイ」を配り終え 一旦厨房に戻った男は ほくそ笑んで呟く。「まぁ、今日までのドラゴンズの負けは『価値ある代償』だて。うんうん、タイガースに花持たせて正解や。俺と永ちゃんは、この後 頂くものをしっかり頂くって事でな・・」 そしてその後、何喰わぬ顔で 居間へ。

「どうだ。具合は?」中条が訊くと、TV画面をチェックしていた由香が「おおきに!アイス・コーヒー 今日のもバッチリ冴えてます。流石(さすが)伯父様やわ!」 妹の由紀も「うんうん、とてもグーですよ~!大声や言えへんけど、野球の方もね!」 聞いた中条は苦笑した。「まあ、仕様がねぇよ。こんな流れになる事だってある。むしろさ、タイガースが 夏場の遠征を頑張ってこなしとるって事やろう?」 「・・ですね。あたしたちも そう見とるんですよ~!」姉妹は、そう応じた。

野球試合の中継が終わって 5:30pm過ぎまで、居間にての談笑が続いた。TV画面の 試合の見せ場が映されるのと、窓外で騒ぐ犬共の「愚かな見所」が重なる事もあって、視線移動が忙しかったが、姉妹も中条も 結構楽しんだ。この時、TV画面から目を離した由紀が、窓外で晒された犬 2匹「マル」と「サンコ」の怪しげな交わり(犬の交合によくある後背位!)を目にしたのだが、TV画面に嵌(はま)っていた中条は 気がつかなかった。

「暫く 黙っとこうな。この事は・・」由紀は思った。曲がりなりにもスマホのカメラで捉えたこの光景、結構意味深だったのだが。とまれ、試合結果が分かるより先に TV中継が終わったのは反(かえ)って良かったかも知れなかった。5:30pmになると、中条が在宅時には必ず見るお笑い番組「笑点」が始まる。これを合図に 3人は出かける準備を始めた。

先刻、宮城の見舞いから戻ったままの服装で良く 用意にそれ程手間はかからない。それでも姉妹は、長めの髪型やブラウスの上方を直したりするのに、多少の時間を要した。空調も、早めの OFF。そうこうして、結局は「笑点」の「大喜利」パートまでほぼ見終わって部屋を施錠、例により EVで階下に降り立つと、丁度玄関傍に 徒歩で同じ場所へ向かう 普段着に替わった永野がさしかかる所であった。

「あは、永野さん 素敵!」 「いや~、ちと恥ずかしい・・なぁ」中条よりはあか抜けた 夏の上下に軽めのウォーキングを履く。「ホントは、草履かサンダルにしたいとこですが・・」と永野。中条が「永ちゃん、分かるよ。俺もホントはそうしてぇが、酒気入ると よく踏まれたりして危なねぇのも事実だしな」と応じると、彼は「ああ、そうそう・・それですよ。あれをされると不愉快は事実ですが、ああいうとこだと、予め分かってますもんねぇ」 「いや、それで正解だよ!」そう言い合ったりしながら、共通の知人でもある室 静男(むろ・しずお)の営む会食の場「居酒屋 MURO」へ。

「いらっしゃいませ。おー (中条)新さんに永ちゃん、暫く!凄いな。噂の美人姉妹さんもご一緒やね!」 「いらっしゃいませ。伯父さん方、ようこそ!」室と、この日出ていた阿久比 周(あぐい・あまね)が迎えてくれた。数少ない 水入らずの座敷。姉妹と周は、言葉抜き 目で会釈。この時は、由香と中条、永野が 初め生ビール、その後は由香がレモン・サワー、中条と永野が冷酒、酒気NGの由紀は、周の恋人花井 宙(はない・そら)が来店した時と同じく 初めペリエの後 烏龍茶の流れ。

食事の方は、中条の意向もあって、生ものが極力避けられた。もずく酢や海藻サラダ、冷奴(ひややっこ)の他は ばい貝を含む煮物や天ぷらなどの揚げ物、締めくくりの茶漬けと果物(フルーツ)などなど。室や周の腕を信じない訳ではないが、万一の場合を考えた選択(セレクト)だ。「この中の誰も『あの事』で寝込ます訳にはいかんからな。分かるだろ?」の中条の言葉に、後の 3人は静かに同意した。

酒食の席がはねたのは 8pm過ぎ。10pm過ぎまで店を守る 室と周に挨拶の後、揃って中条の居所へと戻る。「さて永ちゃん・・」彼は言った。「はい、何でしょう?」永野が返すと「今夜はさ、先にシャワー使ってくれんかな。俺、寝酒の用意もしてぇしな」 「いいんですか?」 「ああ、それでいい・・」 とりとめもない雑談を交わしながら 4人は EVで上階へ。

部屋へ戻り、空調を入れて窓外に目を遣ると、暗くなった斜め向かい家の屋上には、相変わらず 4匹の犬共が蠢(うごめ)く様子が認められた。「永ちゃん、まあ見たれや・・」 中条に促された彼は、その方を向く。そして・・「ああ、宮城社長の愛犬たちですね。暗いとこだと怪しいけど、お宅や公園で見るより元気そうですね」 「・・だろ。あれで朝昼なんかは盛大に吠えやがる。様子は分かるな・・」 「ええ、まあね。ですから『いつまでも』は具合が悪い訳・・か」 「そうそう。ただこれも、今夜までやろな。あの方 明日は退院やろうから、この光景も今夜までと思う訳よ」 「そうですか。ならばせいぜい目に焼き付けておきますか・・」 二人の男は、笑った。

傍らでは、姉妹も美しい顔を輝かせて見入る。「マルちゃんとお友だちの『元気会』も もうすぐ終わりらしいわ。せいぜい見とこや・・」 「せやな。又暫く見られへんし、ここへも来られへん事やし・・」 犬共の動きに気を取られている姉妹の様子を見て、永野は言った。「じゃ、中条さん。じゃなくて新さん・・」 中条「うん。あの事やろ?」 「ええ、先にちょっとトイレに寄ってから、シャワー使わしてもらいます」 「いいよ。そうおしよ・・」 会釈で応じた永野は、中条の居所に備える 己のタオルと線面具を携え、ひとまずトイレへ。すると・・「由紀、永野さん、トイレらしいで・・」 「んにゃ。ほなら、あたしたちも・・」示し合わせた姉妹は、窓側から向き直り、静かに後をつけ始めた。
(つづく 本稿はフィクションであります)

今回の人物壁紙 鳳かなめ
野呂一生さんの今回楽曲「サンセット・グロウ(Sunset Glow)」下記タイトルです。
Sunset Glow
スポンサーサイト
[PR]

コメント

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

hakase32

Author:hakase32
愛知県在住の後半生男です。恐れながら、主に18歳以上限定内容を記して参ります。

お手数ですが、拙各稿を初めからお読み下さる場合は、下方にあります月間アーカイブ他のご利用をお願い致します。
他ブログを含め、拙記事の無断転用及び引用は ご遠慮下さい。

下記ランキングに参加しております。
クリックをお願いできれば幸いです。

官能小説ランキング

アクセスカウンター

愛と官能の美学

Shyrockさんの R18読み物集。他の作者各位も多数リンクされています。入口は、下記タイトルです。

赤星直也のエロ小説

赤星直也さんの R18読み物集。入口は、下記タイトルです。

未知の星

赤星直也さんの R18読み物集もう一つ。他の各位の作品も収録されます。

Mikiko's Room

Mikikoさんの、カテゴリー豊富な R18読み物集。独自視点の旅日記も好感です。

Adult Novels Search

R18 読み物の検索サイトです。

ブロとも一覧

拙バナーです

知人様より、優れたバナーを賜りました。必要時はご利用を Produced by Shyrock

もう一つの 拙バナーです

知人様ご厚意により、拙バナー追加編も賜りました。必要時はご利用を。 Produced by Shyrock

清き一票を(笑)

下記ランキングに参加しております。

日本ブログ村バナー


にほんブログ村 →できますれば、こちらも応援を・・

天気予報


-天気予報コム- -FC2-

月別アーカイブ

これまでの拙連載「想いでの山峡(やまかい)~林間学級の秘密(2016=H28,9~10)」と「轍(わだち)~それから(2016=H28,11~2017=H29,2)」  「母娘(ははこ)御膳(2017=H29,3~6)」  「南へ・・(2017=H29,6~8)」 「交感旅情(2017=H29,9~12)」 「パノラマカーと変な犬(2018=H30,1~5)」  「ちょっと入淫(2018=H30,6~10)」 「情事の時刻表(2018=H30,11~2019=R1,6)」 「レディオ・アンカーの幻影(2019=R1,11~2020=R2,5)」も お読み頂けます。