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情事の時刻表 第27話「察知」

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東海地方の南部 M県下の、北紀中央病院出張に赴いた女医・小町と同行の予備校生徒・豊への「尾行」を察知された形の初美と中条は、最寄り駅 JR北紀長島に着くと、小町の補佐役でもある看護師・美波の出迎えで病院へ。そこで面会した小町から、耳打ちをされている所であった。

「あのね・・」女医は切り出した。そして「ズバリ、貴方に暫く禁欲して欲しいのよ。具体的には、今夜と明日。男にとって辛いし もどかしいのは分かってるわ。でも・・」 「はい、続きを伺いましょう。どうぞ続けて下さい」聞いた中条は、彼女の言葉が一旦区切られると、催促する様に訊いた。

頷いた小町は続けた。「そこを何とか切り抜けて欲しいの。本命の女性(ひと)が一緒なのも承知の上よ。でも・・」 中条「はい・・」 「お願いだから、何とか一日二日(いちにちふつか)位 凌いでくれないかなぁ?」 「一日二日の事ですか?するってぇと何ですか?明後日の日曜辺りに何かあるってぇ事ですかな?」 「ええ、そういう理解でも良いわね」 「そうかぁ。日曜って言や、俺たちも帰らんとって日ですわな。そこで何ぞあるってのは、土曜から日付が替わった未明辺りが怪しいって理解で良いの?」中条がそう訊くと、小町は一瞬 言葉に詰まった様だった。

「ちょっと、新(しん)さん・・」傍らで二人のやり取りを見ていた初美が割り込んで来た。「お~初ちゃん、悪いな。ヒソヒソが長くて、中々そっちへ話しかけられなんだわ。・・で、何だっけ?」中条が狼狽気味に返すと、彼女は続けた。「明後日の日曜は、余り午後遅くならないで欲しいわね。三連休明けは、特に忙しいんだから!」 「ああ、分かる分かる。明後日の日曜はさ、夕方前にはここを発って帰る手筈になっとるんだ。これは変更ねぇから安心しな。そうですよね、先生・・」男がそう水を向けると、言葉に詰まっていた女医は「あ、それね。ええ、貴方の言う通りよ・・」そう努めて冷静に答えたも、何か語調にブレが感じられたのも事実だ。

「分かりました。そういう事なら・・」一呼吸おいて 初美が言った。「大体、先生の仰りたい事は 何となく見当がつきました。今夜と明日の昼間はせいぜい禁欲して、明日の夜以降に備えてくれって事でしょう。つまりその時、一種の『お楽しみ』て言うのかしらね、そんな出来事があたしたちを待ってるって理解で良い。そういう事でしょ?」

一旦 別件の処理の為 席を立ち、戻って来た美波が見守る席で 小町はこう答えた。「まあ、そういう事。それにはね、ここにいる美波もちょっと絡んで来るでしょうね。今は 詳しくは言えないけどさ。後ね、もう一人加わるかも知れないわ。まあそれも、当日の朝 分かれば良いんじゃない・・てあたしは思うんだけどね」 これを聞いた中条は「なる程ね。つまり初美と俺、美波さんと更にもう一人って顔合わせで何かがあるって理解でよろしいな?」 「はい、その通り!」 「有難うございます。そこまででも理解できりゃ良いって事で・・」まだ得心が行かない風情の初美を制しながら、彼はそう返した。

「さあ、そいじゃ・・」様子を見た小町は、締めの言葉にかかった。「今日は、ご苦労様でした。そろそろ宿に入った方が良いでしょうから、この席はこれまでにしましょう。明日の夕方までは自由に過ごされて結構よ。あたしと美波は、それまでに必要な用事を済ませられると思うから。宿へは、彼女に送ってもらいます。じゃ、ゆっくりね」 「あぁ、有難うごぜぇます。我々はそろそろ・・」初美と頷き合い、会釈をしながら中条は返したが、女医が別れ際に投げかけた「この週末は、日曜まで暖かい日々よ」の言葉が やや心に引っかかった。

「じゃあ、今日はお邪魔しました!」 「こちらこそ。立ち寄り有難う!」病院を辞した初美と中条は、再び美波運転のワン・ボックス車で 数分程西へ走った海沿いの宿へ 4:30pm頃着く。豊の実家に似た、少し高台に位置する 割と好感の民宿だ。漁師を兼ねる 初老の田浦夫妻が営む 和室が数部屋の小じんまりした佇まいも、男女別の檜風呂を備え、客室も和式旅館の水準以上のものがあった。

「ようこそ!豊野さんから お話を伺っておりまして」 「お世話様です。中条です」挨拶の席で、やはり田浦は 豊の両親とは漁師仲間である事、しばしば豊も遊びに来るらしい事と 送って来た美波とも 通院などで懇意にしている事などを聞いた。遊興の設備はないが、海辺の散策には絶好の宿だ。病院へ戻る美波に一礼の後 部屋に落ち着き、田浦夫人と 二泊の予定と日曜午後まで手回品の預かりを願うなどを打ち合わせた。

中条「さてと、初ちゃん・・」 「はい、何?」 「ちょっと時間が遅かったから、もう出かけたくねぇだろ。確かご主人 内風呂使っても良いって言われてたから、今から用意するか。それとも、大きい檜風呂行って来るか?」 「うん、折角だから覗いて来たいな。露天じゃないけど、海が見渡せるって話だから」 「分かった。良いだろう」 結局、この夕方は二人別に入浴。

食堂にての夕食後、早めに床に臥すと、中条の布団に 初美が入り込もうとする。「おい初ちゃん、予定外の行動じゃねぇか?」 「ふふ・・何も下方を『結合』しなくても、楽しめる事はあるわよ」 「まぁ余り刺激するなんな。気が変わってさ、行くとこまで行っちゃったら具合悪いんじゃねぇのか?」 「あたしは良いわ」 「ああ、そうか。そいじゃまぁ、触り位ぇしてみるか?」笑いながら招じ入れた 初美の身体の背後から両の腕を回すと、中条は 浴衣の胸元から「双丘」に摩(さす)りを入れ始めた。

「さっきの 小町先生との話、気を悪くしたかい?」中条が、謝る様に訊くと、初美「ううん、余り気にしなくて良いわ。あれね、小町先生の云わば『持病』みたいなものよ。多分 明日が特別健診のはずだから、午後辺りに 気に入った男の患者さんの一人二人と濃い事をするつもりでしょうね。もしかしたら、その時に 美波さんも関わらせるつもりかも知れないわね」 「ああ、なる程。やっぱり小町さんはそのつもりだったんだろう」 「まあ、そうでしょうね。『健診』て名目なら、大の男でも逃げる訳には行かないでしょ。彼女は、患者さんの そういう弱いとこを突いて、自身の欲求を通そうとしてるんじゃないかしら?」

「ハハ、そうか。困った持病だな・・」初美の胸周りに仕掛ける両の手の力を一旦緩め、中条は言った。「俺もさ、そんな事をするとしたら土曜じゃねぇかって思ったのさ。事実なら、案の定だな。それでだ、俺たちの方は・・」 「はい・・」 「その土曜の夜遅くから日曜の日中にかけてが怪しいんだったな」 「さっきの話だと、それっぽいわね」 「それだ。その辺で我々にも『あの方』の出来事があるらしいって事を、小町先生は伝えたかったんだろう。貴女と俺の他、さっき送ってくれた美波さんと 後一人誰かって事・・か」と 男が言葉を継ぐと 「ねぇ、新さん・・」女が、気にする様な語調で返して来た。

中条「うん、何ぞ気になるかい。聞こうか・・」 「その『後一人』だけど、もしかして、男じゃないかしら?」 「ああ、それな。俺も何となくそれかって思ったのよ。男なぁ・・それも、どっちかって言や 若いモンじゃねぇかな?」 「若いって言えば・・もしかして、豊君?」 「豊君・・か。まぁ、可能性ゼロじゃねぇだろうな」 「ゼロじゃない・・か。まぁ彼なら、貴方も知ってる様に、あたし 一度は抱かれてるしね」 「ああ、知ってるよ。むしろ、見ず知らずよりは良かったりしてな。まあ、勧められた事じゃねぇが・・」

「後一つは・・」中条、更に続けた。「うん、聞くわ」仰向けに臥した彼の上に、初美がのしかかって来た。男はそれを受け止めながら「小町先生が、別れ際に『今週末は、日曜まで暖かそう・・』て言ってただろ。あれで俺は、件(くだん)の出来事が どうも外でありそうな気がすんだな。ほれ、AVの用語で言う『青Kan』てヤツ。小町先生と美波さんは、それで理解してるかもな」 「ああ 外ね。余り得意じゃないの。できるなら、部屋の中が良いなぁ」 「ああ、そういう事ならな。ただ、その時にならんと分からん事も多そうだし・・」 「分かった。この先は、明日にでも考えれば良い・・かな」 「まぁ、そんなとこだな・・」そう言い合う内に、二人は前後して眠りに就いた様だった。

一方の小町と美波。夕方からの懇親会の合間を縫い、翌土曜午後の 特別健診の打ち合わせを少し。その折、小町は美波に言った。「もう分かってると思うけど、明日の特別健診は、患者が一巡してから 表にできない二次診察があるの。貴女の本当に協力願いたいのは、そこよ」 「あぁ、表にできない二次診察ね。何となく分かりますわ」美波はそう返し そして「その時には、当該患者も絞り込まれてますわね」と続けた。「その通りよ・・」わざと言葉にせず、女医は こっくり頷いて返した。
(つづく 本稿はフィクションであります)

今回の人物壁紙 椎名そら
今回の「音」リンク 「海の彼方に(Beyond The Sea)」 by中村由利子(下記タイトル)
Beyond The Sea
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