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情事の時刻表 第51話「帰途」

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11/5日曜の午後、長島中央病院を離れた小町、初美、中条、豊の四人は 若手男性病院職員・若松 勇(わかまつ・いさむ)の駆るワンボックス車「トヨタ・ハイエース」で JR北紀伊長島(ほっきながしま)駅へと向かう。高台に位置する病院建物から側道で下り、途中から国道 R42と合流、そこから少しの所にあるコンビニ店に立ち寄る。「若松さん、悪いですねぇ」苦笑気味に言葉をかけ、中条は 豊を伴い店内へ。

「中条さん、豊野さんも、ご苦労様です」ペット・ボトルの日本茶と缶コーヒーを何本か手にして戻った彼らに、若松も笑顔で返す。中条「あぁ、いやいや。最近ね、JRの特急も車内販売やめちゃったもんで、飲み物とかは乗る前に確保しとかんとって訳ですわ」 若松「そうらしいですね。JR中部の在来線特急は、全列車がやめたらしいって聞きましたよ」「そうそう。後さ、東海道新幹線も『こだま』はもう、乗ってねぇみてぇでね・・」そう言い合いながら、中条と若松は 顔を見合って苦笑した。傍らでは、他の三人が笑顔で聞いている。

コンビニ店での買い物は、数分で終わり 再び発進。北紀長島駅には 1:40pm頃着いた。中条は若松に「ホント、短かかったけど 世話になりました。これ、皆さん向けに収めて下さい」と言い、2L入り日本茶の大瓶を託す。「あぁ、済みませんね、有難うございます!」若松は恐縮気味に一礼。そして「プラット・フォームまでお見送りできず済みません。私はこれで 直ぐ戻らんといけませんので・・」やや古っぽい駅舎に横づけされた車へと戻る。「こちらこそ、お世話様でした。瀬野さん含め 皆さん忙しそうだからお気をつけて。宜しくお伝え置きを」 「かしこまりました。では、失礼します!」無言で交わされた会釈と共に、ワンボックス車は鋭い加速で走り去った。

帰りの列車「紀伊 6号」は 予定通り到着、一行四人を含む乗客を乗せ 1:55pmに出発。上級生・周(あまね)と行動を共にして戻った春の時と違い 美波の見送りもない為 プラット・フォームも静かなもの。加速して離れる列車のディーゼル・エンジン音がやたら甲高く響く気がした。2号車に落ち着いた四人。ゆったり目のグリーン席は、小町の希望で向かい合わせにセットされ「初美さんと新さんは進行方向向けね。あたしたちは反対でも平気だから」と、小町は二人に 前述の着座を促した。

結局、初美が進行方向窓側で、中条がその隣、豊が真向かいで 小町は結局、反対向きの通路側になった。ただ 中条と向かい合いの位置が、ちよっと計算ずくだったかも知れない。「じゃあ皆、ご苦労様でした!」腰を浮かした中条が、各自に日本茶のボトルと缶コーヒーを回しにかかった。

出発して十数分程で 列車は海辺を離れ、紀伊山地を北へと越える「荷坂越え」をΩ(オメガ)型に大きく迂回して登り、トンネル複数で抜けて行く。それらをクリアして渓谷沿いに進む様になると、小町が言った。「皆、一昨日からご苦労様。あたしの出張も 無事終わりました。ついては、あたしと別行動だった夜の事が聞きたいわね」 「ハハ、そう来ると思った・・」笑顔を返す一方、中条は内心でそう呟いた。

彼は言った。「ああ先生、その節は有難うございやした。ボツボツお話しやすが、まぁ面白くて有意義だったですね。なぁ皆・・」言葉を区切ると、初美と豊を見回してみる。「あぁ、はい、まぁね。特に、名月が素敵だったわね」まず、初美が戸惑い気味に返すと、次いで豊が「はい、自分は本当に 色々勉強になりました。有難うございます!」豊は、元気にはっきりと投げ返した。

「良かった。豊君は、得るものが多かった様で 何よりだわ」初美が落ち着いて返すと、聞いた彼は「えぇ、本当に。初美先生に、一番お礼申さんといけませんね」 「分かる?あたしは身体を張ってあげたもんね。ついでにさ、美波さんとグルで仕掛けた、筆のマッサージも 悔しいけど素敵だったわ」 「あぁ、あれホント 申し訳なかったです。何かね、先生の『菊のお花』の咲いた感じがとても素敵で、筆でなぞって愛撫して差し上げないではいられん状態になりまして・・」 「良いのよ。その時君は、随分行為に酔ってる感じがしたし。あっ・・その前に、あたしを抱いた時の感じね・・」 「あぁ良かった。有難うございます。自分はホント、今回は筆マッサージの方に夢中になっちゃった感じ゛、先生がどうお思いか、ちと心配だったんですよ」

初美は続けた。「まぁ、初めての事ってそうなる場合も有りよ。あたしは 仕掛けられながら、多分 豊君はそれで頭が一杯なんだって薄々分かってたわ。でも大丈夫。菊花の襞に穂先が出たり入ったりする時は、ちょっと好い気持ちがしたわよ」 「良かった!歓んで頂けて。自分のした事は、間違いなかったんだって 今、信じられるって所ですよ」満面の笑みで、豊は初美に 立って一礼した。

「まぁまぁ、そんなに丁寧にしなくても良いって・・」初美のフォローに、豊は少し緊張を解いた様だった。再び着座、笑顔で話を聞いていた中条が、今度は小町に尋ねた。「ところで先生・・」 「はい、何?」女医が返すと 「これまでお話した昨晩の出来事ですがね」 「えぇ・・」 「あれ結局、先生が計画なされたんですかね?」 一瞬、四人の間に沈黙。それを経て・・

「ふふ、新さん・・」にやりと笑みを浮かべた小町が言った。「まぁ、ご賢察の通りね。そう、計画したのはあたしです。まず貴方・・。かねて一度、美波に会ってみたいって希望があったんですって?ちょっと前の短期入院や診察の折、先輩の宮城さんから聞いてたの。何?美波を想って、お歌まで歌われたって本当かしら?」 聞いた中条は「あぁ、いやぁ・・ちょっと待って下さい。歌って言っても、ほんの一小節ですよ。つまりね『美波恋しや、ほうやれほ‥』と、宮城さんの聞いとられるとこでやった訳です。それで彼からもしっかり叱られまして・・」話の区切りは、些かバツが悪そうだ。

「あぁ、アハハ、そうだったんだぁ・・」ひとしきり笑い、小町はそう応じた。「やっぱり、いつかはって思って意識してたんでしょ。それでどうだった?美波の印象は・・」 中条「そりゃもう、期待通りですよ。俺の想像通りでね。ロングの黒髪が見事だし、背格好も顔
雰囲気も、彼女 理想の日本女性って気がします。勿論、初ちゃんとは違う意味で・・な」 「もう、いちいち言わなくて良いから・・」傍らの初美は、もう悟り顔だ。

「あは、そういう事なら・・」一度なくした自信を取り戻した様に 小町が言った。「貴方を美波に合わせて良かったわ。勿論、彼女の全てを味わったんでしょ。あたしも形こそ違え、機会があったけど・・」 中条「あぁ、有難うです。勿論、じっくり味わわせて頂きました。・・で、先生も 形こそ違え、そんな機会(チャンス)に恵まれた訳ですな?」

「うん、ま・・そんなとこよね」訊き返した中条に、小町はそう答えた。「大声じゃ言えないけどさ、検診の時、三人の男性患者さんにだけ 特別検診の枠を作ったの。・・で、その彼たち三人と、深い事をたって訳で」 「ハハ、やっぱりそうでしたか。つまり何、患者さんたちの『男』を試したって事ですかね?」 「そう、ここだから話すけどね。三者三様、色んな年代の男たちと 暫し深い事をしたわね。漁協幹部は、貴方よりちょっと年上。真ん中辺の漁労長は 初美さんと同年配だけど、背はあたしより低い小男。でも技は素敵だったわ。それと大柄な若い船員。二十歳前で豊より大柄だったけど、とても素直な子で その方もさわりを教えてあげてね・・」

「いやいや、それじょ先生も充実してたって事ですね?」聞いた中条は、そう返した。小町「まぁね。ホント、この海辺まで出張った甲斐がありはしたわね。良い思い出になるわ。後は、初美の事をちょっと。あの菊花マッサージはね・・」 「はい、聞きましょう」 「あたしも気になるわ・・」初美と中条が姿勢を整えると、女医は続けた。「初めは嫌だったらしいけど、あれは周君の彼女・宙(そら)ちゃんの趣味だって聞いたの。女の子の仕掛けられるから拒否反応になるんじゃって思い、今度は豊に仕掛けさせたのよ。そしたら少しは芳しくなったみたいだから、やっぱり・・て思ったの」 「その通りよ。あぁ!悔しいけど、豊の筆タッチは、とても快感だったわ・・」初美はうっとり振り返った。

飲み物を嗜みながら会話に耽る内 2H位の時間は直ぐに経過し、四人が気づいた時には、列車は広い木曽三川を渡り終えて N市に近づいていた。「ねぇ皆・・」小町は、他の三人を見渡し「今度の行程ってさ、何だかだと言ったって、四人それぞれに良い想いをしたんじゃない?ほら、俗に言う『ウィン・ウィン』とかいうヤツよ・・」そう言って笑った。

中条は呆れた様に「まあ仕様がねぇですが、そんなとこですか・・」 初美も「それ、確かにあるかもね・・」そう言い、概ね同調した様だった。豊は初め同様「自分には素晴らしかったです。たた感謝ですね」と満足そうに結んだ。4pm過ぎ、JR中央駅着。席を立った小町は一言「皆、良いかしら?今日までの出来事は、貴方たちのもあたしのも 一切口外禁止って事で」 「了解しました!」他の三人は、きっちりと顔を見合わせて返事をした。
(つづく 本稿はフィクションであります)

今回の人物壁紙 優希まこと
今回の「音」リンク 「ワン・ラスト・フェアウェル(One Last Farewell)」 by松岡直也(下記タイトル)
One Last Farewell
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