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レディオ・アンカーの幻影 第5話「対面」

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「失礼します・・」ドア・ノックと「どうぞ!」の返事を受け、N局員・向井を先頭に理乃と前嶋は控室へ。奥の窓側に近いソファに、由香利と石塚典輔(いしづか・のりすけ)の両アンカーが着き 先程から談笑中の様だ。つい今しがたまで ゲスト出演の映画評論家も同室だったらしい。「初めまして、リスナーの青井理乃と申します」 「私、同じく前嶋 望でございます」軽い挨拶を経て、二人は勧められるまま 両アンカーと対座する形となった。

「邑井由香利(むらい・ゆかり)です。向井さんからお話を伺いました。いつもお聴き下さってるそうで、有難うございます」 「こちらこそ、好い進行でお世話様です。とても魅せられてまして・・」前嶋、すかさずそう返す。隣席の理乃は、もう石塚と映画ネタなどで話し込み始めていた。

石塚「青井さんからは、二度位お便りを頂きました。私と映画の趣向が近い様で、今日は楽しみです。いつも有難うございます」 理乃「あたしの方こそ、石塚さんのお話は感動の連続で有難うございます」そこから話は深化して行く風情だ。「石塚さんが来られてて良かった。俺にゃ好都合かもな・・」そう感じた前嶋は、内心秘かに舌なめずりをしていた。

「まだお名前で呼ぶのは早い・・」そう感じた前嶋は、「邑井さんは、当地へお越しは初めてですか?」と、下心を見透かされぬ様 初めは当たり障りのない会話や質問を心がけた(つもりであった)。由香利「いえ、ここの支局の番組収録とかで、もう何度か来てますね。貴方のお便りも拝見したけど、意外に知られてない見所も多くて そこは驚いてますよ」 「それは有難うございます。どうなんだろ・・ここの自治体って宣伝が下手なのかなぁ・・?」嘆く様に反応しながらも、由香利の体躯のあちこちにさり気なく視線を走らせる彼であった。

時折 各自に出されたペット・ボトルの緑茶を嗜みながら、前嶋は 会話の切れ目をなるべく作らない様心がけながら、由香利の上体から下方にかけ、努めて自然に視線を走らせる。明らかに彼より長身の 170cm超のスレンダーな肢体が、知的なクールさを伴う美顔と それを引き立てるかの如き軽いウェーヴのかかったロングの黒髪を頂く。サングラスでも着ければ「ゾクッ!」とする程の何かがあった。フレア・ワンピの裾から拝める膝下も、明らかな美脚。明るい目のローヒールも良く似合い、ボブ調の短めの髪に眼鏡顔の 理乃の知的だが軽い感じとは明らかに違う魅力の趣が、早くも前嶋を酔わせ始めていた。

「まだいかん、いかんぞ~!」気を緩めれば勃起しかねぬ己の下方を、前嶋は辛うじて抑えた。そして、地元 N市の全国的に知られる城址再整備の様子や東郊の動植物園の最近の動向など、由香利も興味を抱きそうな話題で時間を繋いだ。この間、隣の里乃は相変わらず石塚と話し込んでいて、前嶋に注意を向ける様子はない。

「初体面だし、長くなってもいかん・・」珍しくもこの日は、妙に理性と配慮が頭を回る前嶋であった。「まだまだ話し込んでいてたいけど、由香利さんも予定があるだろう。石塚さんにしてもそうだしさ。そう・・のっけから攻め込むのは止(よ)そうや・・」そう思い始めていた所へ、理乃と石塚の「映画談義」メインの会話が区切りを迎えた様だった。入室から小一時間が経っていた。

「石塚さん、今日は有難うございました!初めのつもりより多くお話ができて、ホント良かったです」理乃は弾んだ声で、席を立つ時石塚に丁寧な一礼。それを受け彼も「こちらこそ、良い時間を有難うございました。又お便り下さい。続きができると良いですね」と笑顔で返す。途中から彼らの会話に絡んでいた由香利と前嶋も「では私たちも。今日は有難うございました!」とまずは笑顔の終礼。その一方で、彼はある事を窺っていた。

時は 5:30pmに近く、春といえど戸外には暮色が忍び寄る頃だ。いよいよ退席というその時、前嶋はそっと由香利に近寄った。そして「邑井さん、恐れ入ります・・」 「はい・・」彼女が返すと 「もしお差支えなければ、お名刺の様なのをお預かりしてよろしいか?」 「貴方は何?そういうの集めてるの?」 「はい、まぁ・・そんなとこですね」一瞬たじろいだ前嶋だったが、何とか滑らかに返した。

「分かった、良いよ・・」由香利は微笑んで応じ、ホルダーから名刺の一枚を選び出すと、前嶋の手に。「有難うございます!ご面倒かけまして・・」今度は満面の笑みで受領する彼だった。実はこの名刺の裏面にどういう訳か 由香利個人の携帯メールのアドが記されており、これがこれからの事共に影を落とすのだが、後程述べる事にする。

「今度こそ、今日は有難うございました!失礼します」後から退室する由香利と石塚、向井局員に改めての一礼後、理乃と前嶋は市民会館を後に JR駅へ。「ああ、良かった良かった。石塚さんとあそこまでお話できて、足運んだ甲斐があったわよ」 「それは良かった。俺もですよ。邑井さんと少しだけど話ができたからね」と前嶋も応じた。理乃「それ、ちょっと心配だったんだ。貴方はお話ベタだから、初対面の邑井さんと上手くできるのかな、なんて思ったりしてね・・」理乃は、わざと意地悪く尋ねた。

前嶋は「ご心配有難う。正直、初めはアガッたね。でも・・」 理乃「はい、何かしら?」 「由香利さん・・じゃなかった。邑井さんが上手くリードして下されたから、お蔭で割合落ち着いて話ができたね」 「そうか、それじゃ二人共来て良かったって訳ね」 「そういう事です・・」この時、JRの O駅までは、まだ少し距離があった。

「所で・・」と突然の様に理乃が言った。「はい、何?」前嶋が返すと「貴方とあたしがどれ位上手くお話できるか、今夜試したい気もするわね」と続けた。聞いた彼は「そう来たか・・」と内心思いながら「そのお試し、俺は受けても良いよ。これから都心へ戻って、やってみますか?」 「賛成~!」昂揚した様な返事が来た。「あはっ、もう昂ってるのか。そいじゃ・・」前嶋の覚悟は決まった。「じゃあ、これから金盛副都心で夕飯の後、そっち流れるか・・」と応じ。理乃は「うんうん」と頷いている。「よし、そいじゃ・・」前嶋は理乃の右手を取り、再び歩き出した。
(つづく 本稿はフィクションであります)

今回の人物壁紙 北島 玲
日野皓正さんの今回楽曲「黄色いジャケット(Yellow Jacket)」下記タイトルです。
Yellow Jacket
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