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轍(わだち)~それから 第3話「進行」

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6月初めの平日、入梅前の、束の間の晴天の下、少年たちは学校や(佐分利)学院の勉学、そして部活などを一応は順調にこなしていた。

夕方の、学院の授業後には、豊(ゆたか)、徹に健(たける)の三人で、最寄りのマクドナルドにての、約一時間の茶話会も何度か持った。そんなある日の夕方、豊の休憩中にSMS連絡が入る。「今度の土曜午後はどう?」発信元が養護主任 小町からであるのは、すぐに分った。
豊、躊躇わず「OKです。場所と時間を教えて下さい」返信。続いて「午後3時過ぎ。この前と同じ所ね。少しゆっくり目に来て」 豊も続いて「了解しました。宜しくお願いします」交信ここまで。

6月4日の土曜も、雲多いながらも晴れ間の覗く一日。午前中は、豊が高校の部活、徹と健は、引き続いて参加の草サッカー・クラブ練習に当り、早めの昼食後、午後二限の教科の為、学院へ。
午後3時に終講。所用を理由に、実は養護室で小町と面会の為、別行動となる豊と別れて、徹と健は、馴染みのマクドナルドで茶話会を。土曜午後の為、相当に混んでいたのも事実だが。

健「豊野さん、まだ頭が痛いのかなあ」 徹「微妙だよね。今朝の部活には行かれたみたいだし」
健「なら心配ないか。今日の別件は、それとは関係なしって事で」 徹「まあ、そう言う事だろうね」

こう言って「所で健、この前豊野さんと、ここで話した事だけどさ」 健「はい、何だろう?」
徹「彼とお前と俺で、小町先生を手籠めにできたら最高だなあ、なんて言われて、俺一瞬『ドキッ』とさせられたんだよね。まあ、冗談だろうけどさ」
健「ハハ、冗談だって事を祈りたいな。お前、理由は分るね」 徹「ああ。去年夏の事だろ」 健「そうそう」
それは、忘れもしない、G県下にての特別林間学級の折に起きた、夜の出来事を指す。その日々を思い返し、彼たちは自慰(オナニー)に及ぶ事もあった。尤も、最初に導かれたのは小町ではなく、当時の担任 伊野初美(いの・はつみ)だったのだが。

徹「これを言ったら怒られるかもだが、豊野さんって、多分まだ童貞だよな。俺たち、その事だけは『お先に失礼』になってるから、ちと後ろめたいんだよね」こう言って苦笑す。
健「まあ、そんなとこだよね。でも、もう分ってるだろうけど、俺たちが大学に上がるまでは、絶対に喋っちゃ駄目だよ」これも苦笑。
徹「OK。約束は守るよ。絶対にだ」 健「俺も、お前を信じてるよ」二人は、その後暫くプロ野球やサッカーなどの事で雑談した後、午後4時頃には、揃って帰途に就いた。

一方の豊、午後3時10分過ぎに、学院の養護室を訪れる。小町は、いつも通り清楚な白衣を纏い、待っていてくれた。但し、上辺はである。
小町「静かな土曜の午後に、会えて嬉しいわ」 豊「こちらこそ『万歳!』です。今日はどうか、宜しくお願いします」
小町は豊に「ちょっと、来てくれる?」と、二台ある休養用ベッドの奥の、非常口の様なドアの所に手招いた。「さ、開けてご覧」
促されるままに、その目立たない扉を押し開けると、そこにもう一台の広めのベッドと洗面台、小さめのガス台流し台に、更にもう一つドアがある。開けるとその中は、トイレと洗面台併設のシャワー・ルームだった。

小町は言った「あたしね、養護の仕事が遅くなったり、医者の学会に出さないといけない論文なんかの準備の時は、ここに泊まる事があるの。この部屋は、その為の設備よ。理事長が用意してくれたの」
「なる程。これは好い環境ですよね」豊も応じる。「と、言う所で豊君、シャワー浴びておいでよ。部活で汗になったでしょう。それに、この後の事もあるし」 「はい、有難うございます。お言葉に甘えます」そうは言ったものの「この後の事って一体何だろう?」豊の脳裏に、一抹の疑念が過ったのも事実だった。

さて、一旦舞台は変わる。小町も住むN城址の西側の、そう遠くない所に、健の伯父 中条 新(なかじょう・しん)の居所もある。
小町も彼も、高層マンションの一室で、共に間取りは2LDK。小町は11階の南東向き、中条は7階に住む。彼の居所は東向きで、ほぼ向かいに鉄筋コンクリ4階建の某商家がある。その他、中層以下の建物が多いので、朝方の陽当たりはまあ良好だ。
中条は、毎朝6時半前に目を覚ます。冬場以外は、向いの某商家の屋上に、ここの小汚い飼い犬が現れ、階下を行き交う通行人に、喧嘩を売る様に、甲高い声で吠えたてているのだ。

「あ~あ、うるせえKuso犬だわ」ほぼ毎朝、起き上がった時の、中条の呟きである。「あの声は、どうしようもねえな。マジで吠えてんのか、屁~こいてんのか、よう分らん」他の犬を連れての散歩人が通る時は特に激しく、遠吠え混じりに五分位は吠えたてる。
そればかりではない。飼い主の目を盗んでは、屋上随所に粗相をする癖の悪さ。「尻癖悪い」と言い切ってしまっても良いかも知れない。中条は、休日など居所にいる間中、その困った光景を見せられ続けている恰好。これが「Kuso犬」と呼ばれ、罵られている所以だ。

彼は一度だけ、このろくでもないバカ犬の面を、高倍率双眼鏡で覗いた事があった。結果は勿論「見ねえ方が良かった~!」 「パピヨン」と言われる外来種らしいのだが、一見して分る、この世のものとは思えぬ間抜け顔に、一時大いに後悔したものだった。屋上は、日毎に粗相の度合いが増し、彼の言葉によれば「ドッグ・ランがドッグソ・ランになっちまった」状態。まあ一応の目覚ましにはなるし、放し飼い故に、色々とバカをやってくれるので、粗相さえ気にならなければ、それなりに面白かったのだが。

それはさておき、寝台の整理と準備運動の後、7時頃から朝食。8時には、義弟が社長を務める内装関連企業に出社した。ここで朝刊複数に目を通し、8時半の朝礼始業。最初の一時間位は、会議や準備のミーティングが主で、それから取引先との用件や納品などでの外出が多い。昼食が出先になる事もままあった。車は、社用のワン・ボックス型 トヨタ・ノアがほぼ彼の専用だったが、義弟が出張で使う時などは、自身持ちのワゴン車 ニッサン・ウィングロードで仕事に出かける事もあった。

さて6月初旬の午後、採用する内装材の事で、取引先との打ち合わせの為、F県の東濃地区へ出かける事になった中条。先方の建物の改修の為、駐車場が使えない日だったので、JR中央西線で出かける事にした。
N市中央駅を午後早くに出、用務の後、夕方戻る行程である。実は、普段なら車を運転しての行路が変わった事が、その後の彼の運命を、少しばかり変える事になったのだが、それについては、小町と豊の間柄と共に、次回以降お話ししたく思う。
(つづく 本稿はフィクションであります。次回は11/28月曜以降に掲載予定です)。

今回の人物壁紙 滝沢ひかる
松岡直也さんの今回楽曲「ミラージュ(Mirage)」下記タイトルです。
Mirage
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