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この雨は こんな風に聴こえる 第4話「読心」

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「有難う。お先ね・・」 浴室入り口脇の下着に付いた体臭(つまり芳香)を愛でて居間に戻った黒木の後を追う様に、宥海が戻る。白のバス・ローブを纏った姿は、まだ半乾きの洗い黒髪と共に 一際艶めかしく映った。「ああ、いえいえ。俺も直ぐ入るから、少しの間 ゆっくりしてて・・」そう返事の一方で「いかん・・な」まだトレーナー姿の黒木は、下半身の帯熱を禁じ得なかった。

入れ替わりに脱衣して浴室に入った彼は、少し悩んでいた。「どうするか。彼女の艶姿を想像して一度自慰するか、ここは凌ぐか・・」洗髪、そしてボディ洗いの間にも、下半身の竿は否応なく肥大し、勃起して行った。「いやー困った。悩むとこだわ。もう少し慣れたとこなら『宥海ちゃん、ちょっと来て!』なぁんて言えるんだが・・」 暫しの間、迷いが頭を駆け巡ったが、しかし間一髪・・ここは何とか凌ぐ事ができた。彼女の飲み物に仕込んだ媚薬の効果が、どれ位かも試したかったのだ。

「じゃあ、お疲れ様!」 「頂きます!」 民放他局の経済ニュースを見ながらソファに落ち着き、グラスを交わした時にはもう日付かが変わろうとしていた。初めはこの TV番組に絡む事共から、この夜の会話が始まった。それから宥海の持つ国家資格「気象予報士」に絡む事に少し触れた。続く降雨の音をバックに、暫しその話題が続いた。

黒木「宥海さんは、大学の内に気象予報士試験をクリアしてたんだね。凄いですね~!」 宥海「ええ、お蔭様でね。決して楽勝って訳じゃなかったけど・・」 「ああ、そりゃそうだ。何たって国家資格だからね。その手の試験って、どれも難関みたいですね」 「そうそう、でも気象予報士試験の内容は、あたしには割と集中して取り組めたの。それで在学中に合格したって訳で・・」 「それはおめでとうございます!」 そうして黒木は、日常レベルの会話を少し続けて、宥海の警戒心を少しずつ解いて行った。勿論一方には、飲み物のカンパリ・ソーダに悟られぬ仕込んだ媚薬の効き具合をそれとなく確かめながら様子をみるとの算段もあった。

日付が替わって少し経つと、どうやら控え目に盛ったといえども 媚薬の効果らしいそれが表れてきた様だった。初めは割合隙のない居住まいだった宥海が、カンパリの酒気もあってか やや姿勢を緩め始めた様に見えた。それとなく観察する黒木「よしよし、少しは効果が出始めたみたい。さぁ、これからゆっくりと攻めて行くかな。夜も遅いけど、まだ暫くなら時間もある事だし・・」

飲酒を交えてまだ続く雑談の合間に「チラリ・・」と姿勢を緩めた宥海の胸辺りに目を走らせると、合わせられたバス・ローブの谷間から僅かに胸の双丘が臨まれた。ブラを初め、再び下着を着けたのかどうか、黒木にとってはちょっと関心のある所だ。「ご免ね、宥海さん・・」彼は素直に言った。「はい、何かしら?」の静かな返事を得て、更に続けた。

黒木「今ね、俺の視界に、貴女の素敵な胸のカーヴが入って来ちゃったよ」 宥海「ふふ、嫌らしい。初めからそれとなく観察してたんでしょ?」 「あぁ、それもご免なさい。可能性ゼロとは言えない・・なぁ」「やっぱり・・」 「あ・・はい。そう仰られればそれも少しは有りって事でして・・」 やんわりとした追及を、曖昧な言葉でのらりくらりとかわしながらも、尚も胸元の様子を目で追い続ける黒木であった。

「じゃあね、恆(ひさし)さん・・」 ほんの少し 意を決した様に、宥海が言った。「はい、聞きましょう!」そう答えながら、上体を乗り出す様にしてきた彼に、更に続けた。「あたしの、今着てるバス・ローブの下がどんな風か?想像して欲しいの。今日の下着を 又着けてるか、それとも一糸纏わぬ裸(スッポンポン)か・・?」 そう言葉を進める頃には、宥海の視線も何やら怪しげになり始めていた。そしてしきりに黒木の下方に流し目をする様子が、この鈍い男の感性にも それとなく届き始めていたのだ。「ほんの少し、時間が欲しい・・」呟く様に応じる彼だった。

「そう、それはね・・」暫くおいて、黒木は言葉を発した。「今の貴女は、全裸だと思います」 「ブブ~ッ、残念でしたぁ!パンスト以外は、ぜ~んぶ着けてますよ~!」優れた笑顔と共に、声高な反応が返ってきた。「ありゃ~惜しい!さっきチラ見したら、着けてないみたいだったんだけどなぁ・・」 本当に悔しそうな表情で、黒木が応じた。その反応をみた宥海「でも、貴方はどこか残念じゃないみたい・・ね」 「分かりますか?」 「ええ、何となくね・・」

「ハハ、バレたかな?」少しだけ、バツが悪そうに 己の頭に手を遣った黒木が言った。「いやね‥『残念!』てお言葉聞いた時にさ、『ならば、もしかして 日中着てた貴女の"香り"がバッチリ愛でられるかな?』なんて思ったりした訳でね・・」 「ふふ・・それも嫌らしい話ね。でも・・」 「はい・・」 「あたしも余り大きな事は言えない・・か」 「わわっ・・すると、もしかして?」 「はい、その『もしかして‥』ですよ」 「・・・」黒木は一瞬、言葉を失った。

宥海は続けた。「あたしね、貴方が浴室に入った時、一瞬迷ったの。もう一度全部脱いで、貴方と一緒にシャワー使おうか、それとも内緒で 貴方の脱いだ下着の匂いをチェック・・どっちにしようかなって。・・で結局、匂いの方にしたって事ですよ・・。汗臭いのは想像通りだったけど、思ったより不快じゃないのも事実よ」 「そうですか。ちと恥ずかしいなぁ。あの・・男の方がね、女性の体臭に嵌るってのはよく聞くんだけど、その逆は余り聞かないみたいだしねぇ・・」

些か戸惑う風情の黒木に、宥海は静かに言った。「うんうん、確かに『あれっ?』みたいな想いは何となく分かるわ。でも、女の方から男性の体臭に興味を持つっての、意外に多いみたいよ。あたしも前もってそういうの聞いてたから、貴方のシャワー中に実行してみたって訳ですよ」 「あぁ、なる程ね。説明感謝です。でも何だ・・まだついて行けんみたいで、目もクラクラする感じだなぁ」 「ハハ・・でもそれも、慣れの問題じゃないかしら?」

こうしたやり取りの間も「ひょっとして彼女、俺が下着の匂いをチェックしたの、察知してるのかなぁ?」と、黒木は少しの不安感にまだ囚われていた。面と向かっては訊けない事だった。その一方、宥海の「慣れの問題よ」なる言葉も又 事実だった。「そう・・慣れれば良い・・か」少しの時間を置くと、その言葉が次第に受け入れられる様な気持ちに変わるのが分った。彼は言った。

「宥海さん、それじゃ・・」 「はい、聞いてるわ」 「まだ早いかもだけど、今夜は お互いの体臭を確かめられた訳ですね」 「そういう事、そして・・」 「はい・・」 「貴方は、更にあたしの深い感触を味わってみたいって願望があるわよね?」 「あ、はい。まぁ・・そんなとこ・・かな?」黒木はまだ、曖昧な言葉で向き合っている。まさか、事実上最初の夜に「あの事をさせて欲しい!」などと露骨な要求などできまいて・・と彼自身は思っていた。「でも、少しでもそうなったら良いな・・」と思わず呟いたのを、宥海が聞き逃すはずがなかった。

「ふふ、恆さん・・」曖昧な出方を続けた黒木をじっと観察していた宥海の口調が、更にはっきりしてきた。そして「その『匂い』を確かめられたその先へ行きましょうよ。それ、貴方も望んでる事でしょ?」 寄せては返す波の様な再度の追及に、遂に黒木は観念した。「はい、その通り。日中の下着を又着けられたのも、俺には歓びです。それを又 脱がせて行く事の歓びは、やはりそれ以上・・かな」 「やっぱりね。そういうの、一つの男の夢なのよね・・」 「その通りでござりまして・・」そう返すと、黒木はグッと宥海に寄って背後に両手を回し、唇を奪いにかかった。窓外の雨音が、更に強まった様だ・・
(つづく 本稿はフィクションであります。次回は 7/1水曜以降に掲載予定です)

今回の壁紙 JR東海道線・熱田駅西詰(物語中、熱見駅のモデル) 名古屋市熱田区 2019=R1,6 撮影、筆者
(お断り この地点は防護フェンスの増強に伴い、現在は撮影不能となっています)
今回の「音」リンク 「虹のしずく(Drops of Raimbow)」 by松岡直也 (故人・ご冥福をお祈り致します。下記タイトルです)
Drops of Rainbow
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