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この雨は こんな風に聴こえる 第18話「日時」

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6月の前半 第 2週の初めからは梅雨入りとなり、時折晴れ間が覗くも、徐々に雨がちの日が増えて行った。色んな業界の仕事も 少しは天気の影響があるらしく、黒木が折々応援に入る 伯父の不動産業も、顧客の現地物件案内などが それまでより心持ち減った様な気もした。ただその分、就活の方は 人事担当者に会える機会が増え、中には少しく手応えを感じられる様な企業も見られはした。

梅雨に入った直後の 6月第 2週の火曜日は 午後から雨。この日 午前の就活と午後から伯父の仕事の応援終えたた黒木は、入浴や食事などが落ち着いた 8pm頃を見計らって、弟・存(たつる)と SNSで連絡を取る。「今晩は。この前の件、日取りを決めたいんだが」 存「おー、ご苦労様です。この週末だったよね」 「そうそう。・・で、初め土曜のつもりだったんだが、どうも彼女、金曜の夜が良いらしいんよ。んでお前の都合がどうかって事で・・」 

存「了解。今んとこは、金曜も何とかなりそうだな。どうせ夜でしょ?」 黒木「勿論、そうなるだろうな。所で時間は何時頃からイケそうなの?」 「そうだなぁ、余り遅くなってもいかんから 8pmでどうかな?」 「OK。場所は金盛の某所で良いな。じゃあその旨、彼女に伝えとくから」 「宜しく、お願いします」交信ここまで。

黒木、時を移さず今度は麗海(れいみ)との交信にかかった。初め土曜予定に会うだったのを金曜に変更したのは、彼女の都合によるものだ。「今晩は。今度の金曜、ちょいと相談があって これ送ったんだが、忙しかったら後で返信もらえると嬉しいっす」 少しおいて返信有。「今晩は。この前は良かったよ。今度はもっと期待で良いかしら?」 「ご免!その事ぞ。俺、伯父貴の仕事の事で急用入っちゃってさ、金曜会えなくなっちゃったんですわ~」 「あ~ら残念。折角身体も好い感じで暖まり出してたのにね。じゃあ、日取りを後ろにジャンプした方が良いって事?」

返事を聞いた黒木は「さあ、ここからちょっと慎重に進めんと・・」という気になっていた。その事を気に留めながら、続けた。「で、そこの所・・モノは相談なんだが、もし良けりゃ 当日は俺の代理を貴女に会わせようと思うとこでさ。これは嫌なら良いんだが・・」 「ふふ、代理とは面白いわね。まぁ男性によるけど、近しい方?」 「それも悪い!初めに言わんといかんね。実は、俺の弟だ」 「あは、弟君・・か。いやそれも面白い。是非会いたいわね。所でイメージは貴方に近いかしら?」

黒木「はっきり言う。確実に俺よりはイケメンですよ。性格は変わらんし」 麗海「SNSの交換だけじゃ分からないけど、貴方の話なら まぁ信じられるわね。OK、弟さんのお名前 聞いておこうかな」 「よし、ならば・・。彼(やつ)は、黒木 存って言います。下の名は「保存」の「存」て書いて「たつる」と読むアレね。外見は余り俺に似てないけど」 「了解。要は、恆(ひさし)さんより垢抜けた感じの方って事よね。言っちゃえばホスト君みたいな感じ・・かな?」 「あぁ、上手い事言った!存はね、ちょっと前 バイトでホストの経験もあるみたいよ」

麗海「おー、増々期待だわ。そいじゃ、恆さんがそんな風なら仕様がないからさ。必ず存さんとあたしが合える様、計らって欲しいわ。金曜なら、時間は 8pm頃から OKだから」 これを聞いた黒木は、内心「しめた!」と思ったものだ。金曜の 8pmなら、正に存の都合とドンピシャではないか。

「分かりやした。それ今から、存に伝えるから。時間は 8pm、場所は金盛の某所でよろしいな」 「OKよ。あたしもそのつもりだから」 「了解。伝えたら、又連絡する」 麗海との交信を一旦区切り、存に麗海の具合を伝え、同意を得て返信した。「よ~し!」二人の情報が共有されたのを確かめて、黒木は今度は麗海の姉・宥海と 気象予報士試験関連資料を借りた礼かたがた連絡を図る。存には予め伝えているが、この金曜の 麗海との逢瀬を抜けたのは、この日に宥海とのそれをわざとぶつけたからである。その日、彼女は所謂「安全日」を迎える事にもなっていたのだ。

宥海からの返信も、程なく来た。この夜は出局のはずだが、まだ番組出演までは間がある事が分っていたからだ。「恆さん、今晩は。丁度好いタイミングで送ってくれたね。金曜夜の件は OKです。場所は 8pmに局傍の某所で良いわね」 黒木「そうですね。俺、なるべく早くそこへ行ってるから、区切りになったとこで来てくれればって思います」 「了解。多少の遅れがあれば、ご免なさいね」 「いやいや、それは良い。気にしないで番組に集中して」 「有難う。当日は宜しくお願いします」 「こちらこそ・・」交信ここまで。

6月第 2週の金曜日は、昼頃から降雨。この日の黒木、よく撮影の JR東海道線・下り貨物便が大きく遅れ、居所の辺りを通るのは夜間にズレ込む事になった。撮影を断念した彼は 午前に二件の就活、午後からは伯父の事務所に赴いて、ここでも二件の物件案内をこなし やや遅れて 6:30pm頃居所へ。正装を平装に変え、シャワーを経て一服の後、7pm過ぎから宥海と合流すべく、彼女のいる「N.G.T.V」本局近くの喫茶店へと向かう。本局階下のロビーで待ち合わせてもそれは良いのだが、今は無名の宥海も、もしも売れ出したりすれば「過去の画像」などと、週刊誌の取材陣などから奇襲的な写真撮りなどをされる可能性も、少しはあったからだ。

待ち合わせ場所へは 7:30pm頃に入った。この後酒気が入る事も考え、彼はジンジャー・エールを注文して宥海の到着を待つ。着いた事を知らせる送信は勿論だ。前後して、弟の存にもこの事を知らせておいた。「兄者、幸運を祈る!」短いが、たっぷりとした揶揄に満ちた返信。苦笑しながら黒木は「お前モナー!」とやった。

「恆さん、お待たせ!」 約束の時間きっかり 8pmに、宥海は現れた。雨は本降りとなり、本当は黒木へのアピールを兼ね 艶めかし系の着衣でその眼前に現れたい願望もありはしたが、芳しからぬ気象条件も考慮しなければならない。雨天にも相応しい、当たり障りのないアッパーとジーンズのアンダー、それに雨にも向いたウォーキング靴という出で立ち。黒髪は勿論、後方で纏めている。

「いやいや、とんでもない。俺もちょっと前だからさ・・」中腰で会釈しながら、黒木は席を勧める。とりあえず四人用の斜め向かいに座った宥海は、アイス・ティーを注文。そして「どうかしら、ここで食事も済ませたいわね」と言った。「それも良いね。早めに済ませて、俺んとこでは寝酒程度にって事にしようか・・」聞いた黒木も同意。宥海は鮭のグリル、黒木はビーフ・シチューのそれぞれセットで手早く食事を済ませ、彼の居所へ。「さっきの店、怪しそうな人 いなかったよね」念の為訊いた。

宥海「ええ、多分大丈夫よ。貴方、週刊誌関係の人達を警戒してるんでしょ」 黒木「まぁ、そうですね。念の為って事があるからね」 「しょっちゅう懇(ねんご)ろにしてりゃ、それは狙われるかもだけど、今の所は大丈夫でしょ。貴方、今夜は雨だからお酒を避けたのかしら?」 「まぁ、それもあるね。俺、この所は余り酔う様な飲み方しないけど、雨の夜だし、もし酔ってて間違いでもすると厄介だしね」 「まぁ、その可能性もありね。やっぱり、部屋へ戻って飲むのが安心だわ」 「そうそう、それね。俺も同じだと思う訳」

本降りの雨は些か鬱陶しくも、程なく黒木の居所着。いつも通り EVで上階に上がり、まず居間へ宥海を通す。いつも通りバス・ローブを用意も、この夜の宥海が、大ぶりの肩バッグを携えているのが気になった。「もしかして、着替えでも入ってるのか・・?」そう思った黒木の脳裏は、次第に疑問と期待かぜ半々になって行く。一息入れた彼は「じゃあシャワー遣ってらっしゃいよ」とさり気なく勧める。素直に応じた宥海は、脱衣の上浴室へ。シャワー音を確かめた黒木は「やっぱり」脱いだ下着の芳香をこっそりと愛でに行くのであった。
(つづく 本稿はフィクションであります)

今回の人物壁紙 市川まさみ
今回の「音」リンク 「エコーズ・イン・レイン(Echoes in Rain)」 by Enya (下記タイトルです)
Echoes in Rain
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