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この雨は こんな風に聴こえる 第41話「勘案」

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とに角「あの夜」は、黒木兄弟にとり、特別に心地良いものになったのは事実だった。事後のシャワーを使い、弟・存(たつる)がその殆どを担ってくれた モデル・ルームのリセットを済ませると、麗海(れいみ)を交えた三人は 直下にある黒木の居所へと戻り、彼女と存は寝室、黒木自身は居間(リヴィング)の長手ソファを延長して、ついでに兄弟の貴重品は手を出されぬ様 黒木のみぞ知る小型金庫に収めて施錠の上、泥の様に眠った。朝方、時雨(しぐれ)があった。

翌朝は遅めの起床。土休日はいつも通う、黒木馴染みの喫茶店で朝兼昼のモーニングを摂りながら暫しの談笑を経て、昼前に解散。雑事をこなした黒木は、姉の宥海(ゆうみ)に前夜の出来事をざっと知らせた。SNSをやり取りしながら、まだ回収していない 盗られたカネの事は、どうでも良くなり始めていた。

「分かった。余り感心しないけど、今度の週末 詳しく聞かせてもらうわ」思った程、怒りを露わにしていない様な 宥海の文面にホッとする一方で、しかし 直に会ってみないと未だ分からない所も多いのが、黒木をやや不安にさせたのも事実だった。と言って、その多くは 彼の不足や不心得による所だったのだが。

暫くぶりで 宥海と黒木が会ったのは、彼女の妹・麗海と兄弟が事を起こした翌週の金曜夜だった。まだ梅雨は明けていない。前日からの雨が朝方上がり、曇り日のまま夜ほ迎えていた。例によって外食の後、シャワーを経て寝酒、就寝という流れだったが・・。

それにしても、黒木との付き合いが深まるにつれ 宥海の「夜の行儀」は随分悪くなった。黒木はいつも 先に宥海に浴室を使わせるのは既に述べたが、その最中 彼女の脱衣の「芳香」を愛でるのは相変わらずだったし、逆に彼のシャワー中に、脱衣の体臭をチェックされているらしい事も薄々とは感じていた。

シャワー後の身体を拭き、下着を替えてバス・ローブを纏い 部屋に戻ると、先に寛いでいた宥海は、バス・ローブの下は 脚部のニーハイ以外は ブラもショーツも着けていなかった。そればかりではない。黒木の気配を感じると 意図的に胸元や裾をはだけ、両の脚を曲げ開いて 下草に囲われた秘溝も露わに挑発して来るのだ。

「いやいや、露骨だなぁ・・」初めの内は 有難き歓びに満面の笑みと、下方を勃起させていた黒木も、何度目かになると 流石に嘆く様な声を上げた。「貴方のせいよ」聞いた宥海は、こう返す。「ご免。そうだな、深いとこで、俺がそういう事を期待してるからだよね」芳しからぬとは思いながら、それは事実して認めざるを得ない彼だった。

いつも観る TV番組が区切られるなど、頃合いを見て 時に居間で、時に寝室で 前戯から行為に及ぶのだが、最初の正常位での繋がりで、宥海は必ず下から両の脚で黒木の腰を捉えて締め付ける「蟹挟み」を仕掛けて来る様になった。回を重ねるにつれ、妙な余裕と冷静さを見せる様になって行く。初めは黒木のリードに大きな喘ぎを聴かせたのが、少し声量が下がったかと思うと、彼の腰は強い脚技の標的となった。

「さぁさぁ、動きなさい・・」とでも言う様に 腰に絡められた両の脚に力が込められ、湿度を持った秘溝に繋がれた竿(男根)の動きを強く促す。黒木もこれは拒めず、思わず腰を上下に起動させる。少し経つと、宥海が「もっと奥まで。あたしの子宮口に接吻(キス)する感じで、お竿の先端を当てて来て!」とか「貴方のお竿は、勉強不足よ。もっとあたしの肉壁や粘膜の感じを覚えさせなきゃ・・」などと、あらぬ催促をして来るのであった。

「いやはや、随分スケベになっちまった・・」後悔はなくも、黒木は些か意外な想いに囚われていた。「俺、余り調教したつもりはないんだが、宥海さん・・ここまで Hにうるさいとは思わなんだ。こうなると、次は全裸(スッポンポン)で事がしたい・・なんて言い出すのかな?」

世間では一般的らしい 全裸での行為は、黒木自身は余り認めたくない所であった。全身の「玉の肌」が拝める 全裸での行為は確かに大いなる魅力だが、やはり黒木の趣向は 美肌が半見えの、着衣が乱れた「半脱ぎ」がベストだと思っていた。「着エロ」とでも言うのだろうか。とに角 絶頂に昇るその瞬間まで、着衣を完全には脱がさないのが至高の行為だったのだ。

「何とか、分かって欲しい・・」彼は折々呟いた。宥海が、本当は全裸での行為を理想とするのは分かっていたが、中々受け入れられないもどかしさも感じていた所だ。幸い 宥海も段々分かってくれる様になった所。黒木も「少しは歩み寄らないと・・」という訳で、何度かに一度は 全裸で事に及んでも良いか・・とも考え始めた所だったが、まだ気持ちは揺らいでいた。

「でね、恆(ひさし)さん・・」 依然 黒木に組み敷かれながら、仰向けに臥した宥海が声をかけて来た。「あ・・はい。ご免、あの事やね・・?」返事を得ると、彼女は続けた。「存さんと貴方が、麗海とやった事が聞きたいわね」 「遅れて悪かった。今から話しましょうかな・・」 「宜しくね・・」

これを受けて、黒木が続けた。「まぁぶっちゃけ、あの夜は 存と俺で 麗海さんを回す格好になった訳。実態としちゃ、俺達兄弟のとこを、彼女の方が回ったって感じもするけど、それ強調すると 言い訳になっちゃうしね・・」 「ふふ、そうか。まぁ、好いでしょう。麗海(あのコ)が貴方達兄弟のとこを回ったってのは、半分本当だろうし・・」

黒木「ホント、そう理解して下さりゃ 有難い。俺は貴女にする様に、半脱ぎで交わらせてもらったが、存とは全裸(スッポンポン)で実行してたね。勿論、行為のペースは彼女任せ。存(タツ)も俺も、強制は一切なかったですわ」 「うんうん、それは良い。存さんも貴方も、そこんとこは信じられるからね」 「ご理解有難と・・」

少しずつ 微妙に変える所はあるも、概ね正常位➡騎乗位➡座位➡後背位➡正常位の似た様なチェンジを経て、二人ほぼ同時に頂(いただき)へと昇るのだが、この夜の二人は 合間によく喋った。宥海「・・で、今度はおカネは大丈夫だったの?」 黒木「あぁ、ご心配なく。俺も存(タツ)も、今度は被害なしって事で・・。尤も、以前盗られたのはまだ返って来てないけどね・・」

宥海「それは良くないわね。存さんの分も含めて、ちゃんと返させないと。もしかして、貴方達は『身体で返したから まぁ良いや』て思ってるかもだけど、それとこれとは問題が違うんだからね」 黒木「あぁ分かる。この前のは、必ず返してもらおうって 存(タツ)とも話してるんだ。それよりも・・」 「えぇ、何?」 「俺の思い過ごしなら良いんだが。麗海さん、どうも貴女と俺が 仲を深めようとするのを良く思ってない所がある様なって気がするのね・・」 「そうなの。事実なら困ったものよね。それでこの前は、存さんにも参加してもらったって事?」

黒木「それもある。とに角、少しでも 彼女の関心を俺から遠ざけたいって事で、あの夜は存(タツ)も関わらせた訳です。彼女も、満更ではないみたい。それは良いけど、でも・・」 宥海「でも・・何なの?」 「実はね。俺、麗海さんと交わった時、彼女が処女だった事を、後になって知った訳。それで、彼女がその事を随分根に持ってるみたいで、この辺は 少し時間をかけて解消させんとって思う訳でして・・」 「なる程ね。つまり、初め 麗海(あのコ)がその事を貴方に黙ってたって理解で良いのかしら?」 「そういう事です。それでね・・」 「はい、何?」 「その辺の事を 何とか整理する為に、俺に考えがあるんですが・・」 「あぁ、大事な事ね。聞いておきたいわ」 「了解、では・・」そう言うと、黒木は宥海の耳元に、軽く接吻した。
(つづく 本稿はフィクションであります)

今回の人物壁紙 裕木まゆ
今回の「音」リンク 「水琴窟(すいきんくつ)」 by 東京スカ・パラダイスオーケストラ(上原ひろみさんとの共演。下記タイトルです) 
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