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轍(わだち)~それから 第37話「条件」

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8月最後の日曜午後、前夜、研修寮「中山荘(ちゅうざんそう)」での熱い課外研修を体験した四人、養護主任の小町、高等科生の豊(ゆたか)、その下級生の伯父 中条と元恩師の初美は、曇天下を無事N市へと戻って来た。解散に際し、前夜の出来事を、少なくとも当分の間は秘密にする事を申し合わせたのは勿論だ。表向きは、前日土曜の夜に会食して解散の体(てい)にしておいた。

月が明けて9月の初頭、豊、徹、健(たける)の三少年と中条は、最初の金曜夜、彼の居所で、この夏の事を振り返り、これから注意する事などを打ち合わせるべく、集まって話し合う事にしていた。まだこの時期は、三少年共、夕方からは何とか時間が取れる状況だったのだ。

その夜、中条の勤務先である健の親許で夕食をご馳走になった四人は、中条の愛車 ニッサン・ウィングロードで彼の居所へ向かう。「先にシャワーを浴びたい者は使ってくれ。必要なければ、後に回すがな」の言葉を受け、三少年は、豊、徹、健の順で浴室へ。「お先でした。伯父さんも、良ければお使いになって下さい」豊に促され「ならば・・」と中条も、まだ健が出る前に浴びる事にした。

居所に就いて小半時後、てんでに持参のトレーナーと、中条は浴衣に着替え、席に着く。飲み物はいつも通り、コーラやジンジャー・エール、アイス・コーヒーに麦茶など。中条は、断ってウィスキー ティーチャーズの水割りだ。勿論 茶菓子もある。

「豊君、先週土曜はご苦労やった。まあ話し合いの甲斐あってさ、小町先生が、お前たちに近づき過ぎん様にはできそうだな」 「・・ですか。伯父さんこそ、お骨折りを有難うございます。これで俺たち、学院でも勉強に集中できる訳ですね」 「まあ基本はそうだが、悪い・・養護室へ行く時だけは、もう暫くの間、ちょっとでいいから注意しといてくれんかな。これ、徹君と健も同じな」 「勿論です!その辺りは様子を見て、必要なら他の先生方とも相談しますから。伯父さんにも、報告させて頂きますね」と豊が返す。「俺たちも、一応用心しますよ。やはり『もしも・・』て事、あるかもだもんね」他の二少年も応じた。

「皆、有難うよ。かなり正しく理解してくれてるな。一緒に来てくれた、初美(元)先生も、詳しくは言えんが好いアイデアをくれたよ。これから先、お前たちは学校も学院の教科も忙しくなるだろうから、まあ集まれるのは、今夜位だもんな」 「ですねぇ・・」ここの所は、四人の意思は一致していた。

中条は続ける「・・て訳で、俺も暫くは様子を見てる。何かあれば、まずは豊君と話、その上で講師の先生方に相談する様に。必要なら、俺に話を持って来ても良い。とに角、忙しいなりに、連絡だけはしっかり取る様にしようや」 「はいっ、そうですね。それ、実行します」三少年も頷いた。

「・・て所で」中条は席を立つと、CDやDVDの収納棚の前へ行き「お前たちの観たいものを、見せてやる」と準備に入る。「いよっ、待ってました!」 「伯父さん、有難う!」少年たちから、拍手と歓声が上がる。「・・たく、こう言う時だけ、礼儀が正しくなるな」呆れながらも、快く鑑賞を許す中条であった。本当は良くないのだが。

今回のAVは「女教師暴走編」と言うタイトルで、全寮制の男子高校に赴任した美貌の女教師が、主に放課後、目の届かない教室に、目をつけた生徒を呼び出して、大声では言えない課外授業を行ったり、お忍びで寮に乗り込み、混浴やら寝室での秘事やらを敢行するストーリーであった。三少年からは勿論歓迎されたが、途中から豊が、徹と健に「豊野さん、本当はこんな学校へ行きたかったでしょう」と突っ込まれて苦笑する場面なども見られた。就寝は、日付が変わる直前。豊は、中条が旅行用に用意していた寝袋、他の二少年はベッド、中条は、例によってTV前のソファを延長しての眠りであった。

明けて3日土曜の朝、例によっての起床である。四人を起こしたのは、又も斜め向かい家の屋上に登った「Kuso犬」だ。この朝の反応は特に激しく、遠吠えを交えて断続的に10分近くも吠え捲った。もう誰も「うるさい」とは言わず、中条の言う「アホの応酬」はどうしようもないな、と言う反応。恐らくは、初めて目にするだろう豊も、又同じだった。

ヴェランダに出た彼「お早うこざいます。今朝のアイツは、更に面白い事をやりそうな気がするが・・」 「ああ、お早う。俺も何となくそんな気がするよ」中条も応じ。「お早うございます。ならば俺たちも・・」他の二少年も同調し、窓際に集まった所で、そいつはパフォーマンス(アホーマンスと言うべきか)を始めた。

まず、階下の通行人の連れ犬を遠ざけた所で、あろう事か、片足上げて、屋上設置の空調室外機に小水を見舞う。そして、やおら己の尻を追って、時計方向、或いは逆時計方向にグルグルと回り続ける。「よくまあ、目を回さんものやな」四人は、呆れて見守った。
「あれなあ・・」中条が言う。「ほぼ毎朝、見続けとると、終いには、どっちが面(つら)で、どっちが尻だか良う分らんくなるんや」 「そう言われてみると、どっちも似た様な感じやね」健が応じ「確かに、俺たちにもそう見えまして・・」他の二少年もこう反応。

「ハハ、やっぱりそう見えるか。感じとる事は同じやな。まあさ、汚い面が、汚い尻を追いまわしてりゃ世話ねぇが・・」中条が言えば「本当に分らんくなった時、訊かれたらどう応えたらええか分るか?俺は模範解答知ってるが」豊が後輩たちに問い掛け。「豊野さん、それ、分りますよ」健が応じると「よしっ、言ってみろ!」答えるは「どっちも尻!」 「その通り!」三少年は、声を合せて失笑した。

するとKuso犬、その会話を察したか、四人から見える所でストン!と腰を落とし「ブボボボ・・」と大きな方の粗相をしやがる。「あいつめ、良う聞いとるなあ。こう言うのだけは・・」三少年、更に呆れて眺め入る。「もういいよ。どっちもアホだわ!」見ていた中条、愛想が尽きて、先に奥へと下がった。

「おい皆、俺はもう呆れてモノも言えんわ。朝飯行くぞ」声をかけると「どうも済みません。あいつのアホーマンスも区切りなんで、俺たちも行きます」三少年も応じ。近所につき、徒歩で馴染みの喫茶店へ。例によって、揃いのモーニング・メニューを所望、思い思いにスポーツ新聞や漫画誌、週刊誌などの拾い読みで、小一時間を過ごす。この日はこの後、豊と徹を送って、健と共に親許へ出社、昼食を挟んで午後途中まで仕事のつもりである。

中条が「さて、会計を・・」と思い立った所で、彼のスマート・ホンにSMS着信。小町からだ。「中条さん、先月は有難う。今月も宜しくね」 「いえ、こちらこそ宜しくです」 「急で悪いけど、今夜のご都合ってどうなの?」 中条、一瞬思案の末「俺は、何とかなりますね」 「分った。じゃ、夕方辺りから予定しておいてくれるかしら」 「分りやした。何ならどこぞ予約しときましょうか」 「いえ、あたしの方でするわ。6pm位からでどう?」 「いいですよ」 「じゃ、又後で連絡するけど、初美も呼べるかしらね」 「ああ、それも一度、その折に返事できる様にします」 「OK!じゃ、後で」 「有難うございます。後程」交信終了。

「皆、悪いな。俺、急に仕事が入ってさ。豊君と徹君を送るから、皆、昨日の席順で乗ってくれるか」一度帰って、落ち着いた所で中条は言った。「いえいえ、俺たちこそ有難うございます。お仕事優先でお願いします。じゃ、徹と俺が後ろで良いですね?」こう言って、豊が中条の背後、徹がその隣、健が前席に着いた。9:30am頃出発、徹、豊の順で降ろす。「お邪魔しました!」 「又、ゆっくり!」健と共に、勤務先の義弟の所に着いたのが10時前。初美とも連絡がつき、夕方から男女三人で会う事に。

急な仕事ではあったが、午前中にほぼ片付き、昼食後に戻ったのが1pm過ぎ。この間に、小町と二度目の交信。待ち合わせ場所は、いつもの書店。夕食は、小町が懇意にしている、その近くの洋食店でと言う事になった。居所の雑用をほぼこなし、コーヒーを入れ、ラジオのプロ野球中継で一服している所に、インター・ホン呼び出しが鳴る。「さて、今度は誰かな・・?」

二度ある事は、三度あるとも言われる。突然の来訪者は、ブラウスに綿パン姿の初美だった。「おお、初ちゃん。今度も予告なしか?」 「まあね。もしかすると、貴方の所泊りかもだし・・」 「あれ、今日は、ひょっとして危ねぇ日じゃなかったっけ?」 「よく覚えてるわね。そう言う日だけは。やっぱり貴方は『痴れ者』かしら?」 「オイオイオイ、それとこれとを簡単に結びつけるなや。俺は、貴女の事を想って、そう言ってるんだが」男はこう言い、コーヒーを勧める。 

「ハハ、それは有難う。所で、今夜は小町さんがご馳走してくれるのかしらね?」 「まあ、二人共そうだといいんだが。貴女は、間違いなくそうだろうな」 「一応期待しようかしら。でも、その後はどうなるのかしらね」 「それだよ。そればかりは、開けてみんと分らんな。で、もしかして、彼女の居所だったりとか・・」 「言っとくけど、この前みたいな恥ずかしいのはダメよ」 「まあ大丈夫だ。それはねぇだろう。それよりも・・」 「それより、何よ?」 「小町さんに、学院の男生徒を漁らせん様にする方策を、ちと考えてたんや。少し条件があるんだが、それは・・」男はこう言い、事実上の恋人に、その条件を切り出した。
(つづく 本稿はフィクションであります)

今回の人物壁紙 源 すず
松岡直也さんの今回楽曲「ソリティーレ(Solitaire)」下記タイトルです。
Solitaire
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