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母娘(ははこ)御膳 第6話「勃興」

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薄暗いネット・カフェの二人区分席「ペア・ブース」の一つで、若い男女の、妖しげな睦事が進んでいた。浪人生 阿久比 周(あぐい・あまね)のジーンズを纏った下半身に、女子高生 花井 宙(はない・そら)の白い左手指が回され、緩急を繰り返しながら、撫で回されて行く。

「うう・・、宙ちゃん」呻きながら周が言う。「早いぞ・・とは言わんが、それの前に、やる事があるだろう」 聞いた宙「ああ、ご免なさい。そう言われりゃそうね。それじゃ・・」こう返して、周の右脇にぐっと寄る。彼はこれを受け、宙を更に強く抱き寄せ「そう、分るね」の一言と共に、その唇を奪う。これが、彼女にとっての、数十秒に及ぶファースト・キスであった。

「周さん、好いわ・・」その想いの一方で「貴方、初めてじゃないね」の感触も同時に抱く、宙だった。「とても素敵よ。もう一度くれる?」 「好いですよ。行こうか」周は応じ、再び彼女を抱き寄せ、もう一度の口づけ。二度目は、多少短めも、舌技をも交えた濃いものだった様な。

「好い感じ。気持ちが昂るわ。じゃ・・」こう言って宙は、再び周の、ジーンズ越しの股間に左手を。勃起は更に高まり、熱い感触まで得られる気がした。「う・・、んん・・」押し殺した声で、呻く若者。「大きな声出したいんだよね。本当は・・」微笑みながら、少女が言う。「そ・・そうだ。貴女一体、どこで覚えたんだ?」 「どこでですって?そりゃ見よう見まねよ。さっきのAVだって、そんな場面(シーン)があったわ」その動画は、そろそろ最大の濡れ場に差し掛かっていた。

「周さん」宙、声をかけ。「う・・うん、何かな?」周、呻きながら返し。「今から、少しジーンズを下げてもらいたいの」 「!」彼は流石に緊張した。宙は、ジーンズを完全に脱がせ、周の下方を露わにしようとしているのではないか?とも思ったのだ。

周には、中学校の頃、ズボンやパンツを脱がされる行為につき、芳しくない思い出があった。意味はよく分らないが、所謂「ロビンソン」と言う、仲間内でヘマとかをした場合の、言わば罰ゲームの一環として、学校内で下方を脱がされる行為が一時流行り、彼も時々標的にされていたものだ。勿論最後は校内問題にされ、教師陣の監視も強化されて下火になったのだが、彼の脳裏には、未だにその思い出が、トラウマの様に残っているのかも知れなかった。

周は訊いた「宙ちゃん。まさか俺の下方を全部脱がすつもりじゃないだろうな?」 対する宙「ハハ、ご心配なく。今夜は、それはないわよ。本当はしたいけどね。でも、ベルトは緩めるわよ」こう言って、腰のベルトを大きく緩め、ジッパーを下ろす。
周「こらこら、やっぱり俺のアレ狙いだろ。困った奴だなあ」 宙「好いじゃないの。あたしに初めて仕掛けた時も、もう熱かったんでしょ?」こう出られると、大口の利けない彼であった。「ああ、分かった。一度任せるから、思い通りやってくれ」些か自棄気味。

対する宙、コックリ頷くと、開いたジッパーの間に右手を入れ、その夜はアンダーのグレーのブリーフを下へとずらし、周の立派な一物と陰嚢を、眼前に晒すのであった。「まあまあ、安心して。誰か来たら、すぐに戻せば良いからさ」その笑顔には、微かに薄気味悪さも漂う。

「一体、何考えてんだか・・」ちと浮かぬ顔で見守る周の眼前で、宙は一物に、今度は左手を伸ばし、ゆっくりと撫でさすり上げる。「素敵な感触。男根(ペニス)に触るの、勿論初めてよ。ずっと、続けていたい・・」 「ああ、まあ仕様がないな。今夜は許す。気の済むまでやってくれ。うう・・」こう言いながらも、心地良い愛撫に昂らされる周であった。

「ねえ、周さん」宙が声かけ。「男って、この亀さんの裏側が一番感じるんだよね」 「ん?ああ・・俺もよく分らんけど、多分そうじゃね?ふ・・んん・・」周は、押し殺した呻きと共に、こう返し。内心では「周りに聞こえたら、どうする?」の懸念もあり、冷や汗が出かかるのも事実だった。宙は言葉通り、彼の亀頭の裏側を執拗に撫で回す。所謂「裏筋」の辺りをだ。

「さあ・・」宙は言った。「今度は、玉袋を触ろうかしら。貴方も下草多いから、ちょっとやり難い・・かな?」 「あーあ、困った奴め」そう思いながら周「余り力を入れん様にな」 「大丈夫、任しといて」笑いながら、陰嚢を両手で包み込む様に、ゆっくりと転がす様に撫で。「ああ、いかん。感じるぅ、うう・・」周は次第に、禁断の愉悦を感じ始めていた。「鍵さえかかれば、押し倒すかもだが・・」

「周さん」宙、もう一度声かけ。「はいはい、何だろう?」完全に、男根の礼儀を正した周が返すと「あたしね、今夜は手コキでやめとこうと思ったの。でも・・」 「でも・・、続きは何だろう?」 「それはね・・」こう呟くや否や「ううっ・・」周が大きく呻く程の激しさで、宙は彼の男根に食らいついた。

周「おい、何をする?さっきも言っただろ。鍵はないんだぞ!」 「ふふ・・」含み笑いと共に、宙は「だから、見ての通りじゃないの。手だけじゃなしに、口で愛撫する事に決めたのよ。さあ、何て言う?」こう返し。「・・・・・」周、一瞬、言葉を失う。そして「そんな事、俺に言わすのか?」 「ふっふっ。良いから言ってみて。貴方の一つの夢だったんでしょ」そう出られると、強い反撃はできなかった。確かに、地下鉄車内で遭遇したあの朝、周は「あったら好いな」みたいな感じで、そんな行為を頭に描き、宙に近づいて行ったのも事実だったのだ。それに・・

「フェ٠ラ٠チ٠オ・・」言葉を継いだその時には、周の亀頭は、宙の口内に吸い込まれていた。彼女は、手コキよりも更にねっとりとした執拗さで、舌技も交えて、彼の亀頭と裏筋を磨きに入っていた。鈴口に、舌先を差し入れる如き強引な愛撫。忽ちの内に、我慢液が滲み出、滴りを見せる。「ああ、好い・・」宙、そう呟いて、その液を啜る。微かに聞こえる「ジュルジュル・・」と言う耳障りな音。「うう・・んん・・、ま・・周りに、き・・聴こえなければ良いが・・」呻きを押し殺しながら、周は、そんな心配をしていた。

宙の攻勢は更に続く。男根の、茎の表裏に舌を走らせ、裏筋は特に念入りに舐め回す。男の、最も感じる部分たる知識を仕入れていたのだ。彼女は、更に愛撫を進め、遂には下方の陰嚢にも舌先を回す。所謂「玉舐め」だ。

「うう・・宙ちゃん」 「はい・・」 「貴女は未体験だろ。一体こんなの、どこで覚えたんだよ?」 「ふふ、全部は教えられないわ。でも、覚えられる情報はあるって事。さあさあ、貴方は歓びに身を任せれば良いの。どうこう煩わしい事なんか、考えなくていいわよ」宙はこう言って、もう一度、周の亀頭から男根、陰嚢へと口唇愛撫(フェラチオ)を進めて行く。一度は遠ざかった大波の様な愉悦が、再び彼を見舞う。

「うう・・んん・・うぁぁ・・」入店から既にほぼ二時間、7pmを過ぎた店内は、そこかしこで客のざわめきが聞こえ始め、大声でも上げようものなら、忽ち悟られるであろう。周は、突き上げる凄まじい性感を凌ぎ、呻きを押し殺しながら、何とか時間をやり過ごそうとする。宙もそれが分っているのか「クチュクチュ」との微かな音を立てるも、幸い周りに気付かれるレベルではない様だ。

「さあ周さん、いよいよ頂上ね。手を取り合って、一緒に行くのよ」宙はそう言って、ニヤリと微笑を見せると、最も性感の集まる亀頭と裏筋を、舌も使って入念に攻める。「う・・ああっ・・」周、声が出そうになるのを、辛うじて止める。我慢液がとめどなく滴り、絶頂が近い事を表わす。愛撫のペースが、激しさを伴い速まる。そして・・

「うう・・ふぅぅっ・・ふはぁぁ~!」激しい吐息と共に、籠った喘ぎの一声。周が、絶頂に達したのだ。「本意じゃないかもだが」そう思いながらも彼「宙(そら)ちゃん、有難う・・」 対する宙「ふふ・・」笑みを浮かべ「そう思ってくれたら、あたしも嬉しいわ」ジーンズの上にほとばしった、男精を一瞥してこう返す。「濃いわね」

「ああ。それにしても・・」テイッシュでそれを拭きながら、周は続ける。「貴女は、想像以上の技持ってるな。驚いたよ」 「あは、そんなかしらね。まあ今は、ネットを含めて色んな情報が取れるからね。でも、あたしは、そっちの習得が速いのかしらね」 「ハハ、そうかもな。さあ、遅くなるといかん。そろそろ帰るか」 「ええ・・」

二人、部屋のPCをシャット・ダウンすると、食べ終えた食器を下げ場に移動、周が精算して店外へ。「さて」彼は言い。「帰る方向同じだったな。家の傍まで送るから」 「有難う。まあ、一人でも大丈夫だけどね」 「いやいや、過信は良くない。言いたくないけど、どこからひったくりが狙ってるか分らんぞ。性暴力沙汰だって、ない訳じゃない」 「そうだね。お言葉に甘えるわ」こんな言い合いや雑談をしながら、二人は混み合う地下鉄に乗る。

途中の、栄町で乗換え、城址の下辺りを通る時、周「最初に会ったのって、この辺だったな」苦笑しながら言えば、宙も「今は、余り好い思い出じゃないでしょ」笑いながら応じ。「まあ、そうかな・・」などと言葉を交わす内、周の居所最寄駅の一つ次、宙の家の最寄駅に。彼女は、ここから徒歩数分以内で帰宅となる。

「じゃ、今夜は有難う。お休み!」 「こちらこそ。お疲れ様!」花井家の玄関先で、解散。別れ際に、宙は、周にそっと耳打ち。「今夜は、貴方の『自身』をしっかり見せてもらえて良かったわ。今度の時に、あたしの『自身』でお返しするから」 「まあ、無理はしない事だ」周は、冷静にそう返した。
(つづく 本稿はフィクションであります)

今回の人物壁紙 市川まほ
久石 譲さんの今回楽曲「6番目の駅(The 6th Station)」下記タイトルです。
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